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新型コロナウイルス禍で東京五輪が不透明になる中、開催の決定権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)はここへきて「無観客」のカードをチラつかせてきた。
開幕まで半年となった23日にトーマス・バッハ会長(67)はメッセージ動画で「必要な手段を適切な時期に決める。それは観客の問題にも及ぶ。何人か、観客は入れられるのか」と語り、これまで否定してきた無観客開催を示唆。過去に開催へ否定的な発言をしてきた重鎮のディック・パウンド委員(78)も「IOCに中止するつもりはない」と態度を一変させた。
大会組織委員会関係者は「パウンド氏は言いたい放題できる唯一の存在だったが、さすがに〝言論統制〟されたようだ」。先週には臨時会議も開かれ、全IOC委員へ開催の方針が通達され、クギを刺されたという。
なぜ、ここまで開催に執念を燃やすのか。ずばり中止はIOCの「崩壊」を意味するからだ。IOCに精通する五輪関係者は「IOCって単なる任意団体で五輪の興行主。収益のほとんどを4年に1回の夏の五輪で賄っている」と内幕を明かしつつ、
中止となれば「まず貴重な収入源のテレビ放映権料が消える。これは痛恨ですよ。そして、ショーを提供する代わりに巨額の拠出金をもらっているスポンサーからは違約金を取られてもおかしくない。開催できなければ存立の危機。倒産の可能性もありますよ」。
一方で職員への給与など多額の支出もある。IOC委員には報酬の形で金銭は支給されていないが、名誉職として世界中を飛び回るため経費がかかる。しかも飛行機は最低でもビジネスクラス、宿泊先は超一流ホテルが当たり前。
まずはこの金満体質を改めることから始めればいいが、IOC委員としては何としても4年に1回の〝実入りの流れ〟を止めたくない。招致に関わったある関係者は「五輪はスポーツの大会ではない。4年に一度の儲けの機会」とも…。こんな状態では、国民のさらなる〝五輪離れ〟を呼ぶかもしれない。
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