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ある日、私が企業の精神科医をしている相談室に、40歳代で大企業の課長職の岡田さんが妻とともに訪れました。以下が、そのやり取りです。
私は集団で監視されている
岡田さん:(怒りを帯びた硬い表情で)先生、来たくなかったんですが、妻がどうしてもと言うから……。
私 :(彼は憔悴しきって、表情は硬く、目もうつろでした。確かにおびえています)岡田さん、何か不安か恐怖があるのでしょうか?
岡田さん:身近な人に、何回も何回も訴えてきたのです。誰も分かってくれないんです。
岡田さん:(おびえ切った態度で)私を監視している集団がいる。彼らが私を陥れようと策動しているんだ。妻も分かってくれないんだ。
妻 :あなたがつらい思いをしているのは、分かるんだけど。でも、理解できないのよ。
私 :岡田さん、監視されているの? いつ頃からかな?
岡田さん:突然! それまでは何もなく、仕事もそれなりに順調で。
妻 :夫は、急に変わってしまいました。理解しようと何回も聞きました。大変なことが起こっていると驚きました。ひょっとしたら認知症の前触れではないかと、思ったりしました。
私 :会社も理解できていない?
岡田さん:何回も、部長などに説明したのですが、君の訴えは理解できないと。
部長 :部長の佐々木です。急に、お呼びだてして、申し訳ないです。
次長 :上司の井沢ですが、3か月前から、急に人が変わったようになり、戸惑っています。
妻 :MK集団から尾行され監視され、脅迫されている。隠しカメラやビデオも使っている、と繰り返しています。
次長 :MK組織って、彼が何回も言うので。我々も海外支店などと連絡を取って調べましたが、「そのようなものはない」というのが結論です。
岡田さん:(遮るように大声で)秘密組織だ、俺にだけわかるんだ。
彼を診察して分かったのは、現実から逸脱した妄想があることです。「被害妄想(危害を加えられる)」「関係妄想(まったく関係ない人が危害などを加える)」「追跡妄想(尾行など、探られている)」の三つがありました。
症状から診断すると、統合失調症という病気です。
若いころに統合失調症を発症すると、通常の社会参加が難しくなることが多いのですが、
人格が成熟してからの中年発症の妄想型は、薬を使って妄想などの症状を抑えれば、そのまま定年まで勤め上げることができます。
(読売新聞(ヨミドクター)
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