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参院議員の河井案里容疑者(46)=広島選挙区=が初当選した2019年参院選を巡る選挙違反事件で、現金の提供先や金額などが記されたリストの総額が3000万円を超えることが、関係者への取材で明らかになった。
リストは、夫で前法相の衆院議員、克行容疑者(57)=広島3区=のパソコンで管理されていた。逮捕容疑は総額約2570万円だが、夫妻が買収目的で提供した金額がさらに増える可能性もある。
関係者によると、リストには配布先として広島県議・市議などの地元議員や後援会関係者ら100人以上が記載されているという。
検察当局は夫妻の事務所や自宅などを家宅捜索し、克行議員のパソコンを押収。消去されていたリストなどの電子データを復元して、大規模な買収疑惑が浮上した。
東京地検特捜部はリストを基に地元議員らを事情聴取して買収を裏付け、公職選挙法違反(買収)の疑いで夫妻を逮捕した。
容疑は19年3月下旬~8月上旬、案里議員の票の取りまとめを依頼する趣旨で、地元議員や後援会関係者ら94人に計約2570万円を提供したとされる。
受領者の大半は買収の趣旨を認めているという。
リストには100人以上の記載があることから、逮捕容疑で配布先となった94人の他にも現金を受け取った地元議員や後援会関係者らがいるとみられる。
ただ立件するには、票の取りまとめを依頼する趣旨で現金が配られたかどうかを、供述や物証で裏付ける必要があり、特捜部は94人以外の提供先についても捜査している模様だ。
克行議員は特捜部の調べに現金提供を大筋で認めているが、買収の趣旨を否認しているとみられる。
案里議員は配布について「知らなかった」と供述しているという。
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