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『はいからさん』のアニメを語るうえで、どうしても避けられないのが、唐突な最終回です。
再放送を毎回楽しく見ていたのですが、最終回のラストシーンだけはどうしても理解できず、長い間「ああ、打ち切られたんだな」と考えていました。
その誤解が解けたのは3年前。大和和紀先生がインタビューで「放送枠をモスクワオリンピックの中継に取られてしまい、
10話分のストーリーを3話に収めなければいけなくなった」ことを明かしてくれたのです。
アニメスタッフではない先生の元に「どうしよう」と連絡があったそうですが、どうにもならなかったそうです。あまりにも理不尽な終了理由でした。
製作元の日本アニメーションにとってもこれは痛恨の出来事だったそうで、大和和紀先生に何度か完結編兼リメイクの製作を持ち掛け、
ついにTV版終了から38年後となる2017年に劇場版として公開されるに至りました。
TV版では少尉が記憶を失ってロシア貴族として飛行船で戻ってきたところで終わってしまいますが、
劇場版では花村編集長と紅緒のエピソードやクライマックスの関東大震災、紅緒の恋の行方についてもきちんと描かれています。
もしアニメでの完結を心のどこかで望んでいた方がいたら、ご覧になるべきかと思います。
それにしても驚かされるのが、累計1200万部を売り上げた大作でありながら、原作はわずか8巻で完結していることです。
しかも8巻は番外編で実質7巻の前半でクライマックスを迎えています。
現代の連載作と比較すると圧倒的に少ないように見えますが、この記事を書くにあたり単行本を読み返してみたところ、
内容の濃さと展開のスピーディーさは圧倒的でした。大和和紀先生の構成の巧みさがこれだけの傑作を生み出していたのです。
良い作品はいつ見ても、いつ読んでも楽しめるものです。
『はいからさんが通る』は、まさにそのような作品なのだと、筆者は確信しています。
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