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<ハンディキャップを乗り越えて、懸命にチャレンジする障がい者─。そんなイメージを逆手に取り、あるユーチューバーが実際よりも重度な障がいを「演じた」>
子供や動物、DIYやゲーム実況などYouTubeにはさまざまなジャンルのチャンネルが開設されている。
2019年からは、芸能人も続々とユーチューバーデビューをしはじめ、今後ますますユーチューバー人口は増えそうだ。
そんななか、お隣りの韓国であるユーチューバーがきっかけとなって騒動が巻き起こっているのはご存じだろうか?
波紋を呼ぶきっかけとなったのは、ユーチューバー"アイムトゥレット(I'm Tourette)"氏のYouTubeチャンネルだった。
Touretteとは、トゥレット症候群のことを指し、チックと呼ばれる精神疾患のうち声と動きの症状が出ることだ。
このユーチューバーはその名の通り、トゥレット症候群を患っており、動画の中では、そんな彼が症状で動きが不自由ながら絵を描いたり、
ラーメンを作って食べるなどさまざまなことに挑戦したり、自分の夢や目標を語ったりしている。
視聴者は、そんなアイムトゥレット氏を動画を通じて応援していた。チャンネル視聴者数は、1カ月のうちに40万人に達し、一気に人気ユーチューバーの仲間入りを果たすほどだった。
同情と感動を呼んだ動画だったが......
しかし、彼が動画の中で見せる症候は演技ではないか?という疑惑の書き込みがきっかけで、元同級生や近所に住んでいるという人たちが「彼はチック症状ではなかった」など、
次々とアイムトゥレット氏の症状が偽物だというコメントが書き込まれるようになった。
その後、ネット上では過去の投稿動画などから、本当にトゥレット症候群なのか検証まで繰り広げられるようになる。
検証内容を見ると、アイムトゥレット氏は過去に本名でラップ楽曲をネット上で配信しており、そこではまったく症状が出ていない。
また、症状のせいで食事を取るのが大変なことを紹介し、さまざまな食事風景をチャレンジ動画として投稿しているが、
インスタントラーメンと国産牛焼肉とでは症状の度合いにばらつきが見える。
安いインスタントラーメンでは、箸を持つ手がぶれて食べるのもやっとだが、高級な焼肉では症状が抑えられ、箸から肉を落としたりひっくり返すようなことはなかった。
次第に大きくなった疑惑の声を収拾するため、アイムトゥレット氏は今月6日に謝罪動画をアップした。
証拠として、服用している薬が載った病院からの処方箋を見せながら、トゥレット症候群は患っているものの、動画制作にあたって、症状を大げさに演技していたことを認め、過去動画をすべて削除した。
しかし、アイムトゥレット氏が自身のチャンネルから過去の動画を削除しても、他のユーザーが過去の動画を再アップロードするなどして炎上は収まらない。
なかには、アイムトゥレット氏に対して「2019年YouTube 新人演技賞」を贈るという動画をアップして批判する者まで現れた。
URLリンク(www.newsweekjapan.jp)