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「発達障害」職場で伏せざるを得ない窮状、周囲も疲弊…「働きやすさ」どうすれば
2019.6.21 08:00
「しんどい思いをしながら、職場にしがみついています」
20代の男性会社員は2年前、ADHDとASDの診断を受けた。職場ではそのことを伏せたまま働く「クローズ就労」を続けている。男性は、これまでの人生をこう振り返った。
「人並みの努力で人並みの成果を得ることができない。この悩みが原因で、怒りやむなしさも感じています。
普通になりたかったし、今も普通になりたい。20年以上こんなコンプレックスを抱えて生きてきました」
小学生の頃から頻繁に学校の連絡事項を聞き逃した。団体行動が苦手で周囲から浮いてしまい、いじめにも遭った。
大学生時代、飲食業のアルバイトで注文を取ることもできず、店長から「こんなに覚えの悪いバイトは見たことがない」と呆れられた。
だが、当時は深刻に受け止めなかった。短期で辞めても生活に支障はなかったからだ。
だが就職後、状況が一変する。
「できない理由ばかり考えないで、主体的にどうやったら解決できるか考えて」
成長や自発性が求められる職場で、常に指示を待つ状態の男性を見かねた上司から、あるとき、こんな指導を受けた。どう解釈すればいいのかわからず、男性はフリーズした。
「自分で解決しなければいけないとはわかっているんですが、業務に向き合う根本的な意義を見いだせず、混乱が続きました」
興味のある分野しか集中できないのは、ADHDやASDの特性のひとつだ。周囲に迷惑をかけているという罪悪感や劣等感で、男性は強いストレスにさらされた。
「もうボロボロで仕事を辞めたいと思うようになって……。発達障害を疑って受診しました」
発達障害を持つ人の割合は数十人に1人にのぼるとされる。「傾向がある」「疑いがある」あるいは「自分もそうかもしれない」と悩む、“グレーゾーン”の人も含めるとさらに多い。
その大半はクローズ就労をしている。当人に自覚がない場合もあるが、カミングアウトできない主な理由は、職場の理解を得られず退職に追い込まれるのでは、という不安だ。
背景には、発達障害の特性や対応について理解せず、偏見もある社会の現状がある。
ADHDの疑いがあり、2次障害で通院しているグレーゾーンのオムさん(ハンドルネーム)も、クローズ就労を続けている。職場では苦労してきた。
特に電話応対が苦手で、商品説明を求められた際、頭が真っ白になり、受話器を握りしめたまま硬直したことがある。
異変に気付き、応対を代わった先輩から、こんな言葉が飛んだ。
「新卒じゃないんだから」
当時、20代半ば。屈辱と罪悪感で体が熱くなった。その後、適応障害の診断を受けた。
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