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政府、WTO判断に困惑「あり得ない」
2019.4.12 21:27政治政策
WTO逆転敗訴
政府は12日、世界貿易機関(WTO)の紛争処理手続きの「最終審」にあたる上級委員会が
韓国による福島など8県産の水産物輸入禁止措置を不当とした「1審」の紛争処理小委員会(パネル)で認められた日本側の主張を退けたことを受け、対応の見直しを迫られた。
引き続き韓国側に規制の撤廃を求めるが、予想外の結果は国内外への風評被害対策や対韓国政策に微妙な影を落とす可能性もある。
「『1審』の判断を上級委員会が覆すことは、普通はあり得ない」
WTOの判断から一夜明けた12日午前、外務省に登庁した幹部は記者団にこう語り首をひねった。WTOは韓国の輸入禁止措置が協定に違反しないと認めたわけではない。
日本産食品は科学的に安全との事実認定で1審の判断は維持された。
それでも韓国が「逆転勝訴」と言い募れば、安全基準を満たしている水産物への誤ったイメージが生まれかねない
。12日の自民党の水産関連の会合では、水産業界側から「風評被害が再発しかねない」との懸念の声が上がった。
河野太郎外相は記者会見で「意味のない輸入規制を続けることは2国間関係にも大きな影響を及ぼす」と述べ、輸入規制撤廃を強く求めた。
だが、いわゆる徴用工問題などで日韓関係を悪化させている文在寅(ムン・ジェイン)政権が応じる気配はない。
政府は徴用工訴訟をめぐり生じた国際法違反状態を韓国側が是正しない場合、国際司法裁判所(ICJ)への提訴に踏み切る方針だ。
しかし、今回の一件は紛争解決機関が「不可解な判断」を下し得ることを示した。ICJへの提訴に至る過程で一層綿密な準備と慎重な判断が求められる。(原川貴郎)
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