18/11/13 14:05:03.01 lqDHJf7M0.net BE:419054184-2BP(1000)
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そもそもウイグル問題は中国についての一般的な理解に加えて、中国国家の少数民族政策・宗教政策やユーラシア史への理解、世界の民族問題への
基本的なリテラシー、イスラム・トルコ文化への理解といった膨大な基礎知識がないと、なかなか全貌をつかめない。言語も中国語・英語・ウイグル語だけではなく、
トルコ語やアラビア語ぐらいはできないと第一線の情報が入ってこない。
なのでウイグル問題は、普通の「中国通」の人(筆者自身も含む)ではまず歯が立たない分野だ。中国の国土は広大で、北京や上海と新疆との距離は
2000キロ以上も離れている。欧州でいえばパリ~モスクワ間にほぼ匹敵する距離だ。仮に北京や上海に詳しい人であっても、彼らが新疆を理解するのは、
フランス在住者がチェチェンやモルドバの事情を理解するぐらい大変なのである。
むしろ「中国通」の人のほうが、身近な中国人のウイグル人への偏見(テロリストや泥棒が多い、犯罪をしても逮捕されない特権を持っている、中国国家が
新疆を発展させてあげているのに騒乱を起こすウイグル人は恩知らずである……など)からダイレクトな影響を受けているので、認識をミスリードされやすいという
問題すらある。
いっぽう、たとえ中東やイスラム文化に精通した人でも、中国はイスラム圏全体から見れば辺境にあたるため、やはりウイグル問題については縁遠くなりがちだ。
東西をつなぐシルクロードの民の問題は、日本人にとってかくも理解が難しいのである。
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