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グーグルにまたもや疑惑が浮上した。
ロケーション履歴をオフにしたところでユーザーの位置は追跡されているというのだ。
■ロケーション履歴をオフにしても追跡は続いている?
「あの店に行ったのはいつだったか?」や逆に「あの時の旅行の2日目にどこ行ったっけ?」などというふうにふと気になることがあるが、グーグルのロケーション履歴をオンにしておけば、後から簡単に振り返ることができる。
便利である一方、まさに自分の行動が筒抜けになっているともいえ、家族内でたまにスマホを貸し借りするような場合には持ち主の行動が丸わかりになってしまう可能性もある。
そして家族ならともかく、グーグルにも知られるとなるとやはり不気味だ。
あまり良い気持ちがしないということであれば、このロケーション履歴をオフにして移動の追跡と記録をしないように設定し直せばよいのだが、驚いたことに話はそう簡単ではないらしい。
ロケーション履歴をオフにしてもユーザーの位置情報は追跡されているというのだ。
いったいどういうことなのか。
先日、AP通信が公開した記事では米プリンストン大学の研究員の協力を得て、アンドロイド端末とiPhone端末でグーグルが提供するアプリを検証した。
その結果としてロケーション履歴をオフにしてもユーザーの位置情報の取得が行われていることを報告している。
プリンストン大学のポスドクであるギネス・エイカー氏がロケーション履歴をオフにして数日間スマホを普通に使ったところ、位置情報が追跡されていたという。
グーグルのアプリはそれぞれが連携しているケースも多く、例えば天気予報をチェックしようとアプリを開ければ、自動的に位置情報が特定されるのである。
もちろんグーグルマップで位置情報をオンにしていれば現在地は特定される。
ロケーション履歴のサポートページに記されているのが下記の文言だ。
「ロケーション履歴はアカウントレベルでいつでもオフにできます。
ロケーション履歴をオフにしても、お持ちの端末でご利用の他の位置情報サービス(Google位置情報サービスや「端末を探す」など)には影響しません。
Google検索やGoogleマップのような他のサービスでのアクティビティの一部として、位置情報データが保存されることもあります」
つまりロケーション履歴をオフにすれば履歴が表示されなくなるだけで、位置情報の取得は続いているということなのだろうか。
どうやらグーグルに現在地や移動経路を知られたくないと思えば、ロケーション履歴はもちろん、連動する位置情報サービスやウェブ&アプリ利用履歴などすべての位置情報に関する設定をオフにしなければならないということのようだ。
■消費行動の一連の流れが機械学習によって丸裸に
では、グーグルはユーザーの位置情報を集めて何をしようとしているのか。
その大きな理由のひとつが位置認識追跡(location-aware tracking)技術による広告収入である。
すでに各デバイスの画面は追跡型のウェブ広告で溢れかえっているが、購入履歴だけでなくそこに位置情報を活用して、よりタイムリーで居場所に即した広告を表示させる技術が今もブラッシュアップを続けているのである。
昨年、グーグルは「Googleアトリビューション」のベータ版を発表した。
このGoogleアトリビューションとはユーザーの消費行動と、購入に至らせた決定要因を浮き彫りにするツールである。
日本でのサービス導入は未定のようだが、このツールを使うことでオンラインショッピングだけでなく、クレジットカードとデビットカードを使った実店舗での購入履歴のおよそ70%を追跡できるというから驚きだ。
そして、ユーザーの位置情報からどこで広告を目にし、どの店舗で購入したのかもわかるようになり、消費行動の一連の流れが機械学習によって解き明かされる可能性も広がっている。
AIによって「この時期のこの時間、ここにいる人は、こんなものを欲しがる」というようなことがかなりの精度で予測できるようになるかもしれない。
欲しくなったモノやサービスが実はAIによって動機づけられ、購入へと誘導されたものであったというのはあまり気持ちのよい話ではないが、こうした市場社会がやってくる日は案外早いのかもしれない。
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