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小野寺防衛相、対北朝鮮圧力維持に腐心＝包囲網の緩み懸念
2018年06月03日22時10分
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【シンガポール時事】小野寺五典防衛相はアジア安全保障会議に合わせて米国、韓国、オーストラリアなどの国防相と相次いで会談し、北朝鮮の非核化に向け圧力維持の必要性を訴え続けた。
１２日に予定される米朝首脳会談で、米国が段階的な非核化を容認するなどして譲歩すれば、北朝鮮に対する国際包囲網が緩みかねないと懸念。
日本を射程に入れるミサイルや拉致問題が置き去りにならないよう今後も働き掛けを続ける考えだ。＜下へ続く＞
「北朝鮮が対話に応じることをもって見返りを与えるべきではない」。小野寺氏は２日のアジア安保会議で各国国防相らを前に、非核化実現には具体的な行動を取らせる必要があると強く主張した。
南北・米朝間で対話ムードが強まっているが、過去には非核化を約束した北朝鮮に何度も裏切られた苦い経験があることから、防衛省幹部は「同じことは二度三度と起こる」と警鐘を鳴らす。
小野寺氏は２、３両日のシンガポール滞在中、日米豪、日米韓の３カ国会談を含め、計８カ国の国防相と会い、北朝鮮への圧力を緩めないようくぎを刺した。
だが、トランプ米大統領が「最大限の圧力」との文言を使わない意向を示し、包囲網のほころびが米国から見え始めた。
北朝鮮との直接対話の見通しが立たない日本にとって、拉致・核・ミサイルの包括的解決には米国に頼らざるを得ないのが実情。非核化交渉が難航し、長期化すれば、米国が拉致問題に踏み込む余力は小さくなる可能性がある。
トランプ氏発言を受け、日米韓３カ国の共同声明では「最大限の圧力」という表現の明記を見送った。日本はトランプ政権の真意や出方を測りかねており、「動向を注視するしかない」（政府関係者）と、ため息も漏れている。