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各国に若き指導者／政治参加へ日本でも改革を
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この１年ほどの間に、各国で誕生した大統領や首相の就任時の年齢だ。日本では若い指導者を生むような政治的な土壌はあるだろうか。
昨年６月に首相となったアイルランドのバラッカー氏は「西欧で最も保守的」と言われる国にありながら、移民の家庭の出身で、同性
愛を公表している。
昨年１０月に就任したニュージーランドの女性首相アーダン氏は国内の全電力を再生エネルギーで賄う方針を表明。産休手当拡大など
の政策を進める一方、自身も出産予定で、６週間の産休取得を発表した。米誌『タイム』の「世界で最も影響力のある１００人」にも選
ばれている。
若さによる経験不足、スタンドプレーへの危惧は当然あるが、従来の発想にとらわれない政策や高いコミュニケーション能力などで克
服しようとしている。社会や政治に閉塞（へいそく）感が漂う中、既存政治家への不満や清新さなどが有権者の期待となり、各国で次々
と若き指導者を誕生させていると言えそうだ。
真価が問われるのはもちろんこれからだ。ただ、彼らの多くは突然リーダーになったわけではない。クルツ首相は２７歳で外相に就任。マクロン大統領も経済相として実績を上げていた。
日本では歴代で最も若くして就任した首相は初代の伊藤博文の４４歳。まだ３０代はいない。自民党内では小泉進次郎筆頭副幹事長が次
代のリーダー候補として注目されているが、３７歳の彼と同世代が外国では国を動かしている。
日本の場合、若い世代の政治への関心は決して高いとは言えない。２０１６年に選挙権年齢が１８歳に引き下げられたが、若年層ほど投
票率が低い状況は変わらない。
今月、若手の国会議員が超党派で「若者政策推進議連」の設立を決めた。自民から共産まで超党派の約３０人が参加し、若者の声を政策
に反映させ、若い世代の政治参加を促そうとしている。
議連では人口減少・超高齢化社会の課題を克服するためにも「将来に責任を持つ世代が中心となり、未来志向の政策を実現していかなけ
ればならない」と危機感を抱く。
ホームページで、議連と政策ディスカッションに参加する若者の団体の登録を呼び掛ける一方、被選挙権年齢の引き下げやインターネッ
トを利用した投票の導入などについて、議員立法での法案提出を目指すという。
被選挙権年齢の引き下げなどは、各党でも検討が行われている。こうした改革を急ぎ、日本の政界が活性化しなければ、世界的な変化の
スピードに取り残されかねない。