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野党の「審議拒否」は「サボり」なのか?
2018年04月28日 政治・経済
4月下旬からの国会における野党の「審議拒否」について、多くの賛否両論が巻き起こっています。
筆者はツイッター(@TanakaShinsyu)で政治・行政の解説ツイートをしていますが、そこにも様々な質問や意見が寄せられました。
そこで、野党の審議拒否をめぐる論点について、国会研究者の視点から解説します。
Q2:国会は立法府なのだから、国会審議に出てこないのはおかしい。野党議員の「サボり」ではないか?
A2:国会は、立法府であると同時に、国権の最高機関です。国権の最高機関として、首相を指名し、内閣は国会に連帯して責任を負います。
これは、内閣の存続には国会の信任が不可欠で、国会には内閣を常時チェックする責務があることを意味します。
国会は国権の最高機関として、大きく2つの視点から内閣をチェックします。①内閣が適切に行政を管理・監督できているか。
②内閣の方針・政策・予算は適切か。①は与野党共通の役割です。一方、②はもっぱら野党の役割です。
チェックの大前提は「内閣とそれを支持する国会多数派」(=政府与党)が国会に対して誠実に対応することです。
すなわち、質問に真正面から答弁し、提出する議案の論理・根拠を明確にし、求められた文書や情報を提出することです。
そこにウソやフェイクが混じれば、チェックは困難になるからです。
ならば、政府与党が国会に対して誠実に対応していないと、野党が認識したときには、どうやってそれを是正すればいいのでしょうか。
現在の国会の慣行では、野党の取れる手段は極めて限定されます。
国会審議で追及しても、そもそも答弁等に信頼がおけないのですから、意味はありません。
内閣不信任案を提出する手もありますが、一国会で一回しか提出できず、しかも多数派の与党に否決される可能性が高いです。
議長や議院運営委員長に改善を求めても、与党議員のポストとなっていますので、言うだけに終わる可能性も高いのです。
そこで、野党はやむにやまれず、審議拒否という手段に出ることになります。政府与党の国会対応に、
重大な問題があるという主張を可視化して、世論を味方につけるのです。
逆に、審議の前提が整っていないのにもかかわらず、安易に審議に応じれば、政府や法案のチェックを十分にできず、問題ある法律を成立させて、人々に害をもたらすかもしれません。
例えば、工場の生産ラインで、モニターが異常を知らせれば、原因追及と改善策を講じるまで、生産ラインをストップさせます。
操業を続けると、大量の不良品を製造してしまい、大損害を発生させるおそれがあるからです。
生産ラインのストップで生じる損害は、やむを得ないものと見なされます。
これと同じ論理です。
よって、審議拒否は「サボり」ではないのです。
むしろ、国会のあり方を正常化したり、政府の信頼を回復したりするための、国権の最高機関における少数派議員としての「仕事」なのです。
もちろん、すべての審議拒否が、野党の「仕事」といえるわけではありません。
その是非は、他に手段のない、やむにやまれぬ行為かどうか、ケースバイケースで判断する必要があります。
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長いので全文はソース読んでくださぁい