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＜自民研修会＞「森友」釈明に不満の声「地元で説明できぬ」
自民党は２０日、党の地方議員約８００人を集めた研修会で、党が取り組む重要課題を説明した。安倍晋三首相の
悲願である憲法改正に向け、党がまとめた改憲案を浸透させる狙いだ。一方、党の顧問弁護士が唐突に森友学園問題を解説し、
「首相夫人は関係していない」と報道批判も展開。政権に不祥事が相次ぐ中、来春の統一地方選を控える出席者からは「あれでは
地元で説明できない」と不満が漏れ、改憲への熱気どころかしらけた空気さえ漂った。【田中裕之、小田中大】
出席者によると、顧問弁護士は会場に森友学園問題などの経緯を記したスライドを映しつつ、「うそを書くとフェイクニュースだ。
（首相の妻）昭恵さんが出てくる前に（国有地売却の）話は決まっていた。関係したという報道があるが、事実関係は違う」などと断言した。
こうした説明の場は研修会の予定に入っておらず、地方議員に「真相」を伝えるため、執行部が急きょ設定したとみられる。
さらに研修会の出席者には、森友、加計学園問題を巡って朝日新聞の報道を強く批判する文芸評論家の書籍も配られた。
ただ、説明を聞いて困惑する地方議員も多く、「研修会を首相が総裁選の地ならしに使っているのでは」との疑問も漏れた。
首相は９月の党総裁選で３選を目指し、地方票固めを急いでいる。青森県議は「こんな説明でいいのか。信なくば立たずだ。
このまま安倍さんでいいのかと、皆心配している」と語った。
一方、改憲については、党の細田博之憲法改正推進本部長が、党のまとめた「自衛隊」明記など４項目の条文案を説明し、
各地で機運を高めていくように協力を要請。政務調査会の各部会長らが働き方改革、地方創生などの政策について講義した。
訪米から帰国して会場へ直行した首相は、非公開の講演で加計問題などには触れず、出席者から直接批判が出る場面もなかった。
だが森友・加計問題や自衛隊日報などの不祥事が相次ぐ中、地方議員は内閣や党の支持率低下が統一地方選を直撃する展開を懸念する。
保守王国・福井の県議は「改憲は安倍さんの個性だ」と理解を示す一方、止まらない不祥事に「危機管理がなさすぎる。がっかりだ」とこぼした。
森友問題への釈明について、別の県の議員は「かえって逆効果になる」と肩を落とし、首相に近い国会議員は「首相の周りの人たちは
政権が置かれた状況の重大さを分かっていない」とつぶやいた。
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