18/04/05 23:22:00.73 toHUZhdha.net BE:255920271-PLT(12321)
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何故こんな運命になったか判らぬと、先刻は言ったが、しかし、考えように依れば、思い当ることが全然ないでもない。
人間であった時、己は努めて人との交まじわりを避けた。人々は己を倨傲だ、尊大だといった。
実は、それが殆ど羞恥心に近いものであることを、人々は知らなかった。
勿論、曾ての郷党の鬼才といわれた自分に、自尊心が無かったとは云いわない。
しかし、それは臆病な自尊心とでもいうべきものであった。
己は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交って切磋琢磨に努めたりすることをしなかった。
かといって、又、己は俗物の間に伍することも潔しとしなかった。共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為である。
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