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再延期の消費増税、次回19年も見送り確実か…一億総「お金使わない」化が深刻
安倍晋三首相が、消費税の増税時期を2019年10月に再延期したことで、さらに増税ができない状況をつくり上げている。
「同じ政権で二度の増税はできない」「19年の参議院選挙前に増税に踏み切ることは無理」といった政治的な要因も大きいのだろう。
しかし、それだけではない。GDPの6割を支える個人消費の観点からも、19年10月というのはあまりにも時期が悪い。
増税でオリンピック
以下の消費税の推移年表のとおり、19年10月の増税後、翌年7月に東京オリンピックが開催される。
オリンピックのチケット、関連グッズ、イベントなどの価格に2%の消費税が上乗せされる。
オリンピック関連商品の多くは、2%高くなっても飛ぶように売れるだろう。
60代以上の人にとっては最後、20~50代の人にとっても一生に一度の自国開催のオリンピックになるかもしれない。
「一生の記念に」と、多くの消費者が何かを見る、買う、食べるだろう。海外からの訪問客や選手団なども、
金を惜しまず消費してくれるだろう。不動産や土木・建築に続き、20年春頃からは、オリンピック特需が裾野まで広がり、夏にピークを迎える。
しかし、その前後の反動が怖い。オリンピック後に消費が減るのは当然だが、前年10月に増税されると、
オリンピック前の消費にも大きな影響を与える。自公政権が継続されれば、10%への増税時に軽減税率が導入される見込みだ。
そうなると、19年8月から9月にかけて、トイレットペーパーやティッシュペーパー、
洗剤などの日用品から、高額な住宅、自動車などで駆け込み需要が起こると予想される。
その反動で、19年の年末から20年の年明けぐらいまでは、増税の後遺症が続き消費は低迷するだろう。
年明け後に消費が回復するかというと、そんなに甘くはない。消費者は夏のオリンピックでお金をかなり使うつもりだから、
「オリンピックに使う分をどこかで節約しよう」という意識が強くなる。おそらく、20年のゴールデンウィークは、
節約志向で「安・近・短」になるだろう。オリンピック前に増税をすれば、消費者の財布のひもは固くなる。
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