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精神論を振りかざし電通の過重労働を擁護、自殺した娘の母をバッシングする評論家の暴力
広告代理店・電通の社員だった高橋まつりさんが2015年に過労自殺し、
電通が労働基準法違反で書類送検された一件は、まつりさんの母親からの切なる訴えもあり、
常態化している残業を中心に労働問題の再考へと繋がっている。
そんな最中に、「『電通鬼十則』どこが悪い!」とのタイトルの寄稿を目にして思わず動転してしまう。
とはいえ、「こんな十則はあくまでも努力目標であり、掲げるくらいは問題ないのでは」程度の異議申し立てなのだろうと読み進めたら、
あろうことか、娘の死を無駄にしてはならないと訴える母親へのバッシングも含む寄稿だったのである。
小川榮太郎(『月刊HANADA』2017年3月号/飛鳥新社)
著作に『約束の日 安倍晋三試論』『「永遠の0」と日本人』などがある
文藝評論家・社団法人日本平和学研究所理事長の小川榮太郎の寄稿は、
一人の自殺が社会問題に派生していくことに対する違和感を述べ連ねていく。
電通の石井直社長が辞任したことを受けて、「ノイローゼで社員が自殺する度に大会社の社長が引責していてどうするのか。
ノイローゼ患者も自殺者も無数にいる。社会は理