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「消せるボールペン」特許、消えない業者の摩擦
「こすると文字を消せるボールペン」の特許を巡り、筆記具メーカー最大手の「パイロットコーポレーション」(東京)と同業界2位の「三菱鉛筆」(同)が対立を続けている。
パイロット側が取得した特許を巡る訴訟で、知財高裁はパイロット側に軍配を上げたが、その後に同社が起こした仮処分の裁判で、三菱鉛筆は反論を展開している。
消せるボールペンは、パイロット側が2006年、欧州で「フリクション」シリーズを売り出し、07年に日本でも販売を始めた。
同社によると、摩擦熱で65度に達すると色が無色透明に変化する特殊なインクを使い、ペンの上部に付いた専用のラバーでこすると、書き損じた文字などを消すことができる。
鮮やかな色合いを出せると同時に、消す際に紙を傷めにくいのが特徴で、ボールペンだけでなく、蛍光ペンなどでも応用されている。
一方、油性ボールペン「ジェットストリーム」などのヒット商品で知られる三菱鉛筆は、今年1月から「ユニボール アールイー」を販売。
これもペン上部に付いた専用の消し具で摩擦熱を生じさせ、書き損じなどを消す仕様となっている。
三菱鉛筆は14年7月、パイロット側が保有するフリクションの特許を無効とするよう特許庁に請求。
同庁は16年6月、「フリクションの構造は同業者でも容易に発明できる」などとして請求を認める審決を行った。
これに対し、パイロット側は同庁の審決取り消しを求めて提訴。
知財高裁は今年3月、「摩擦熱を生じさせる専用ラバーを、ペン後部やキャップに組み合わせたことなどは容易には思いつけない」などと構造全体の独自性を認定。
同社側の特許を有効として審決を取り消し、判決は確定した。
これを受け、パイロット側は7月以降、三菱鉛筆が特許を侵害して消せるボールペンを販売しているなどとして、「アールイー」の製造や販売の差し止めを求める仮処分を東京地裁に相次いで申し立てた。
これに対し、三菱鉛筆は「特許の侵害はしていないが、『アールイー』は仕様を変更し、販売を続ける」との姿勢で、当面、対立が解消するめどは立っていない。
パイロット社は「市場の混乱を早く解決し、沈静化したい」としている。一方、三菱鉛筆は「仮処分の対応中なのでコメントできない」としている。
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