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ポスター
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愛知、岐阜両県の鉄道駅に掲示中の自殺防止ポスターが波紋を広げている。鉄道利用者への影響を指摘する文言を盛り込んだところ、有識者らが自殺者の遺族を傷つけると指摘。
抑止効果についても疑問が寄せられた。苦情を受け、一部に撤去の動きも出ている。
(略
ポスター制作を呼びかけたのは名鉄。JR東海、近鉄、名古屋市営地下鉄も賛同し昨年10月、約850枚を441駅に掲示した。
スローガン「STOP自殺」や相談電話の番号のほか、「鉄道での自殺は、大切な命が失われるだけでなく、鉄道を利用する多くのひとの安全や暮らしに関わってきます」との文言を書き込んだ。
名鉄では年20~30件の鉄道自殺があり、遅延や損害が発生、遺族に賠償請求することもあるといい、自殺対策は同社にとって切実な問題だ。
だが、この文言について13日、名古屋市自殺対策連絡協議会で、
遺族の自助グループのリメンバー名古屋自死遺族の会代表幹事花井幸二さん(50)が「身近な自死を防げず、自責の念に駆られている遺族をさらに追い込む」と指摘した。
効果についても「『世間に迷惑をかけるからやめよう』と当事者が考えるだろうか」と疑問を呈した。
市も昨年、この文言を問題視し共催参加を断っている。同協議会の翌日、名鉄に指摘を伝えた。
市の担当者は「つらい人に寄り添う内容にしてほしかった」と話す。市交通局も客の苦情を受け、4月、全170枚を撤去した。
名鉄広報部の担当者は「多くの人が見守り、声をかけてほしい、という思いで作った。直接苦情は受けておらず、撤去は考えていない」と話している。
◇
〈日本自殺予防学会の斎藤友紀雄理事長の話〉 ある意味での鉄道自殺の被害者として鉄道会社の「本音」が出たのだろう。
でも自殺は当事者や家族を責めても解決しない。自殺にまで追い込む社会全体の問題として考えてほしい。
(おしまい。