22/02/20 17:33:19.37 CAP_USER.net
大統領選真っただ中の韓国だが、米国の利上げによって経済に大きな打撃を受ける恐れがあると国際投資アナリストの大原浩氏は寄稿で指摘する。国際通貨基金(IMF)の管理下となった1997年の通貨危機の再来が危惧されるという。
米国の1月の消費者物価指数は前年同月比7・5%上昇と約40年ぶりの高水準で、さらに上昇する見込みだ。急速なインフレ進行によって、米連邦準備制度理事会(FRB)が想定より早い3月にも利上げする公算が大きいが、影響が真っ先に韓国に出るのではないかと筆者は懸念している。
韓国は最近1人当たり国内総生産(GDP)で日本を追い越すという予測に小躍りしているようだが、1997年のアジア通貨危機で事実上国家破綻し、IMFや日米などの国際社会の援助で復活した。経済的には再建から二十数年の「新興国」なのである。
米国の利上げをきっかけに新興国から資金は逆流し、インフレとのダブルパンチで厳しい状況に追い込まれる。韓国も例外ではないはずだ。
韓国の家計負債は、対GDP比率で105・8%とGDPを上回るまでに膨張しており、米国の79・0%や日本の66・5%(国際決済銀行統計、2021年第2四半期末)と比べても高い。
金利上昇は韓国の家計をさらに追い込む。3月9日の大統領選で誰が選ばれてもこれまで以上に政情が不安になるのは間違いないだろう。
韓国は1月に政策金利を0・25%引き上げて1・25%とした。これ以上の利上げは避けたいところだろうが、消費者物価指数は高止まりしており、市場関係者は今年中にさらに1回ないし2回の利上げが必要になると予測している。
韓国の貿易収支が昨年12月、輸入の増加などから赤字に転じてから、今年1月は約49億ドル(約5670億円)へと拡大した。エネルギー価格などの上昇は今後も続くはずであり、一時的なものと考えるべきではない。
韓国証券市場における外国人は、21年通年では約26兆ウォン(約2兆5000億円)の売り越しとなっており、海外マネーが流出しているのが明らかだ。タイタニック号の鼠のように「異変」を察知したのかもしれない。
最も懸念されるのが外貨の問題だ。韓国の外貨準備高は昨年10月末に過去最高の4692億ドルを記録したが、その後3カ月連続で減少し、今年1月末時点で4615億ドルとなった。
日韓通貨交換(スワップ)協定は2015年に終了しており、日本が再度協定を結ぶことは現状では考えられない。米韓スワップ協定も昨年末に期限が切れた。米国は中国寄りの韓国に不快感を持っており、再協議の見込みはない。1997年の「事実上の国家破綻」の際に受けた恩をあだで返してきた「自業自得」と言えるであろう。
中国は助けてくれるだろうか。昨年9月下旬に不動産大手、中国恒大集団の「債務不履行問題」がクローズアップされてから、米ドル建ての債務返済に変調をきたしており、余裕はなさそうだ。
筆者は中国より、2度目の韓国経済崩壊の方が早いような気もする。筆者が執行パートナーを務めるシンクタンク、人間経済科学研究所の有地浩代表パートナーは、財務省大臣官房審議官、世界銀行グループの国際金融公社東京駐在特別代表などを歴任、国際金融界にも知己が多いが、やはり米国の利上げ後の韓国の行方を憂慮している。 (人間経済科学研究所執行パートナー・大原浩)
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