21/09/01 09:06:52.74 CAP_USER.net
新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)で延期になり、開催まで不透明だった東京オリンピック(五輪)が無観客と猛暑という厳しい条件の中でも終了した。
行き過ぎた商業主義に汚染されて無理やり推進された五輪という誹りは避けがたいが、厳しい条件の中でも各国選手たちが見せた平和と和合のスポーツ精神はウイルスとの戦いに疲れた人類に希望と慰安を与えてくれた。
だが、隣国で開かれる世界的なスポーツ祭典を契機に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が訪日して韓日首脳会談を開催することにより、長期の“複合多重骨折”状態に陥っている韓日関係を逆転させる大切な機会が失われてしまった点は非常に残念だ。
この状態が来年まで続く場合、韓日関係は前代未聞の「失われた10年」を経験しかねない憂うべき状況だ。
最近、日本と韓国を歴訪した米国のウェンディ・シャーマン国務副長官が東京にいるときは訪問が成功したと思っていたのに、ソウルに来てみたところ失敗に終わったとメディアに明らかにした通り、両国政府間では訪問準備がかなり進んでいたことが分かる。
2020年下半期以降、韓国政府は東京五輪を念頭に置いて、悪化した韓日関係を改善するために持続的な外交努力を傾けてきた。
どん底に落ちた韓日関係を回復軌道に上げるという目的とともに、2018年平昌(ピョンチャン)五輪が韓半島(朝鮮半島)平和プロセスの出発点を提供したように、東京五輪をハノイ米朝首脳会談「物別れ」以降、冬眠状態だった韓半島平和プロセスを再稼働させる機会にしようと考えた。
また、バイデン政府が東アジア政策の核心軸の一つとして韓日米3角協力体制を復活させようとする動きに先制対応しようとする狙いも作用していただろう。事実、北朝鮮の五輪不参加決定によってすでに「平昌の再現」は消えはしたが、残り2つの理由はそのまま残っていた状態だった。
複合大転換期に能動的に対応するために外交テコを拡充して韓半島というプリズムで戦略を立て、足並みの乱れによってリズムを崩してしまった韓国外交の柔軟性を取り戻すために必要な要素が韓日関係正常化という点で、今回の大統領訪日は絶対に実現されなければならなかった。
東京五輪という隣国の大きな行事を祝うという名分で自然に訪問外交を行う場合、通常の首脳外交企画よりもはるかに負担が少ないためだ。
また新型コロナで対面首脳外交が大きく萎縮し、今後両国が政治シーズンに入るため、現政権任期内に両国首脳の相手国訪問機会を作り出すことは難しくなる点を考慮すれば尚更だ。
韓日関係の特性上、政府次元の方向設定が社会全体に及ぼす影響が、その大きさによって正常疎通と対話の肯定的な効果が期待される点においても、韓日関係の局面転換のための好機を逃したことは返す返すも残念だ。
今回、韓国政府が訪問を断念した決定には、駐韓日本大使館の相馬弘尚総括公使の不適切な言動による国内世論の悪化も影響を及ぼしたが、主な原因は公式会談の開催と一定の会談成果を求める韓国の立場と強制徴用問題に関する解決法提示を要求した日本の立場が衝突したためだという。
しかし、韓国政府が韓日関係改善という戦略目標を追求しようとしたのであれば、五輪開催を祝う目的の訪問を入口にして、雰囲気を改善することによって、首脳会談で得ようとしていた成果を出口で得るアプローチがより実効的だったかもしれない。
戦略的葛藤状態である米国とロシアの間にも、バイデン大統領が戦略疎通と対中牽制(けんせい)という目標のために、ジュネーブでプーチン大統領と首脳会談を持った点を参考にする必要がある。
中央日報日本語版2021.09.01 07:27
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