20/10/11 16:52:23.19 CAP_USER.net
中国はチベット自治区やウイグル族、香港などで人権問題を抱えており、人権問題に関する国内からの批判を言論統制で抑えつけているとされています。そんな中国の言論統制は、海を越えたオーストラリアにまで波及しており、在豪中国人が中国に対する批判を黙らせるためにSNS上で「脅迫」まで行っていると、オーストラリアのキャンベラに本拠を置く非営利研究機関中国政策センターのユン・ジャン氏が解説しています。
Pro-China nationalists are using intimidation to silence critics. Can they be countered without stifling free speech?
URLリンク(theconversation.com)
Elaine Pearson on why Australian universities come up short on academic freedom, China's influence and Hong Kong
URLリンク(www.smh.com.au)
ジャン氏が指摘しているのは、近年では中国国外であっても中国の言論統制に引っかかるという危険性です。2020年7月、ニューサウスウェールズ大学が、国際的な人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチのオーストラリア支部局長であるエレイン・ピアソン氏の香港に対する人権問題に関する懸念について、「香港の間違いを終わらせるために、中国には国際的なプレッシャーが必要」と題された特集記事を同大学のニュースルームに掲載しました。
China needs international pressure to end Hong Kong wrongs | UNSW Law
URLリンク(www.law.unsw.edu.au)
この記事に対して、オーストラリアの中国人コミュニティから批判が殺到。ニューサウスウェールズ大学は当該記事に関するツイートを削除し、記事自体も削除してから復活させるという行為を2度繰り返した後、ニュースルームのトップページから法律カテゴリに移動させるという処置を講じました。
ピアソン氏によると、中国人コミュニティからの批判の中には、「問題の記事は有害である」という批判のみならず、「ニューサウスウェールズ大学をボイコットする」「声明を全面的に撤回しろ」という批判まであったとのこと。ピアソン氏は中国人コミュニティからの熾烈な反応と、大学当局の弱腰な対応に驚かされたと語っています。
ジャン氏は、中国人ナショナリストは中国共産党、ひいては中国を批判する人々を「脅迫」していると指摘。中国共産党は宣伝と教育を通して、国民が「中国」と一体化するよう奨励しているため、「中国人ナショナリストは中国共産党に対する批判が中国全体と中国国民に対する批判だと混同している」と説明しています。
また、中国人ナショナリストによる「在外中国人の言論弾圧」も加速しているとのこと。中国共産党の方針に賛同しない中国人を発見した場合に、個人情報をオンラインで公開したり、中国領事館に密告を行ったりする中国人ナショナリストまでおり、中国領事館に情報提供を容易にする「密告用ポータルサイト」も設立されているそうです。この種の密告によって、オーストラリアで香港の民主化を支持し、ウイグル族への弾圧を非難する抗議デモに参加した中国人留学生の「実家」に中国当局の局員が訪れ、警告を残していくという事件も発生しています。
A student attended a protest at an Australian uni. Days later Chinese officials visited his family
URLリンク(www.smh.com.au)
ジャン氏はこうした中国人ナショナリストの脅迫や嫌がらせについて、既存の法律で実施可能な対策を強化すべきと主張。中国当局に協力するため、他人を威嚇する学生や密告を行う学生を退学させるといった対処を大学に促しています。
GIGAZINE 2020年10月10日 09時00分
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