20/08/06 11:44:01 CAP_USER.net
朝鮮半島の組織は、李王朝の昔から「上は絶対」の原則で動いてきた。上に従順な者は出世し、逆らう者は左遷される。こういう組織文化は、雇用情勢が悪いほど、「横暴な上」をつくる。「権力型のセクハラ」(以下、パワセクと呼ぶ)が横行するわけだ。
ソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長のパワセク疑惑自殺に続いて、いま韓国で大問題になっているのが、元ニュージーランドの大使代理だった男性外交官による、現地の男性職員に対するパワセクだ。
韓国の外交官は、パワセクを問題にされると、しばしば「文化の違い」と言い逃れをしてきた。パワセクこそ「韓国文化」ということだろうか。
「Me Too」で、最初に摘発されたのは忠清南道(チュンチョンナムド)知事だった安煕正(アン・ヒジョン)氏だ。彼は大統領候補を決める党内選挙で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と最後まで争った。しかし、本番の大統領選挙で文氏の勝利が確定するや、演壇に立つ文氏に抱きつき、その頬をペロリとなめた。
「気持ち悪い」-私は虫唾が走るが、韓国では「潔く祝福した」と受け止められ、次期大統領の最有力候補ともされた。
しかし、秘書に対するパワセクで有罪となり、政界から消えた。
次は、釜山市長の呉巨敦(オ・ゴドン)氏が秘書に対するパワセクでアウトに。そして、ソウル市長の自殺。
2カ月もない間に、日本で言えば東京都知事と大阪市長が相次いでパワセク・アウトになったのだ。
安煕正、呉巨敦、朴元淳の3氏はいずれも、政権与党に所属していた。が、文大統領は公式には何も語っていない。与党に至っては、告発に出た被害者を“悪女”に仕立てようとしているように思える。
朴元淳ショックが冷めやらぬうちに表面化したのが、現マニラ総領事が前任地でしたパワセクだった。実は3年前の事件であり、この4月には一部の韓国メディアが小さく報じたのだが、ほとんど問題にされなかった。
振り返れば、2013年7月にもニュージーランドで韓国人外交官が女性職員にパワセクをした。16年にはチリ駐在の韓国人外交官が女子児童2人に“いたずら”をした。同年にはエチオピアで大使と部下の外交官が、現地職員にパワセクをした。
17年には駐ロシア公使、18年にはパキスタンとインドで外交官が。19年には横浜総領事が…韓国人外交官が赴任先でパワセクをして召還されるのは、何ら珍しいことではないのだ。
しかし、ニュージーランドの場合、同国の首相が7月末、文大統領に抗議の電話を入れてきたので、大騒ぎになった。
ニュージーランド側は何度も調査に応じるように求めているのに、韓国側が無視したことに腹を立てたようだ。
韓国外交省は3年前に現地で問題化した後、この外交官を帰国させ「減給1カ月」の処分をして、マニラの総領事に送り出していた。「政権有力者が彼のバックにいるから、そんな措置になったのではないか」との噂が出るのは、いかにも韓国らしい。
が、もっと韓国らしいことがある。
「人権派弁護士出身」の文大統領が、ニュージーランド首相の電話に「事実関係を確認した後で処理するだろう」と、あいまいに答える一方で、WTO(世界貿易機関)事務局長選挙での韓国人候補の支持を要請したことだ。
あきれる厚顔無恥。やはり日本人は付き合いかねる。
■室谷克実(むろたに・かつみ)
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