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日韓関係「こじれ」の多くの責任は朝日新聞にあると井沢元彦氏
韓国の対日行動原理に「恨(ハン)」という特有の精神があることを、四半世紀以上前に著書『恨の法廷』で言及していたのが、
「週刊ポスト」で『逆説の日本史』を連載中の作家・井沢元彦氏である。
韓国における「恨(ハン)の精神」は、日本での「恨(うら)みの心情」とは似て非なるもの、もしくは全く異なるものである。
中国王朝の影響下に置かれた時代が長い朝鮮半島の国家は、解消困難な抑圧状況に対する怒りや不満、
あるいは抵抗心を、逆に「生きるエネルギー」に転換させようとした。その状態を「恨(ハン)」という。
2019年8月14日、韓国では独立を記念する「光復節」の前日に改めてソウルを訪れた井沢氏が、
「反日の正体」をさらに深く取材したレポートをお届けする。
さて、一昨年、慰安婦像ならぬ徴用工像が新たに建立されたというので、その現場も見に行ってみた。
ソウル中心部の龍山駅前の広場にある。等身大ぐらいの銅像で、やせ細りあばら骨が浮き出ている。歴史的にはこのような事実は無かった。
そもそもソビエトにシベリア抑留された日本人捕虜とはまったく違い、徴用工への賃金はきちんと支払われていた。
奴隷労働のように印象づけるのは、まさに歴史歪曲である。
私が訪問した際はたまたま集会も無く一般の韓国人も銅像の存在にあまり気がついていないようだったが、
いずれは当初一体から始まった従軍慰安婦像のように、韓国政府はこれを全世界に拡散させるつもりだろう。
こういうことを言うと、お人好しの日本人は「そこまでやるか?」と思う人がほとんどなのだが、
そういう人にぜひお伝えしたいことがある。現在の韓国において光復節の前日8月14日が何の日かご存じだろうか?
国民の祝日なのである。「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」という国家が定めた正式な祝日である。
もちろん定めたのは現在の文在寅政権で、去年から始まった。今年はこれを記念してソウル市内の南山(ナムサン)公園に新たな慰安婦の群像が建立された。
初めて実名で日本を告発(それが8月14日)した元慰安婦の故・金学順(キムハクスン)さんが、韓国、中国そしてフィリピンの若い慰安婦たちを見つめるという形で造られている。
南山は、かつて日本の統治の象徴とも言える朝鮮神宮が建っていたところで、光復以後それが破却されてからは韓国独立を祝う象徴的な場所になっている。
この日、それらの群像の除幕式が挙行されたわけだが、セレモニーには陳善美(チンソンミ)女性家族相や朴元淳ソウル市長の他、海外からのゲストも多数出席していた。
これも能天気な日本人は軽視しているのだが、いま韓国は世界中に慰安婦像を建立している。
とくにアメリカで韓国系市民の多い自治体では、「日本軍の蛮行、慰安婦=性奴隷」という説明板をつけた慰安婦像が公共の場所に設置されている。
そもそも「慰安婦=性奴隷」の根拠は「日本軍が一般女性を強制連行して慰安婦にした」というところにある。
これが歴史的事実かどうか論争されているころ、吉田清治という男が「私は日本軍の命令で多くの朝鮮人女性を強制連行し慰安婦にしました」と「証言」し、
それを朝日新聞が大々的に取り上げてキャンペーンをしたため、一時それが「歴史的事実」として拡散してしまったのである。
ところが、この男はとんでもないペテン師だった。「証言」はまったくの「ウソ」であり「捏造」だったのだ。本人もそれを認めたため朝日新聞も謝罪し訂正したのだが、
朝日新聞の謝罪は事実が発覚して10数年後であったことに加え訂正も「歴史的事実」を覆すほど充分なものでは無かったため、この歴史認識の誤りが世界中に広まってしまった。
この問題に関する「こじれ」の大半の責任は朝日新聞にある。いまからでも遅くないから、朝日はこの誤解を訂正するためにあらゆる努力をすべきだろう。
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