19/04/07 17:41:53.56 CAP_USER.net
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▲崔普植(チェ・ボシク)先任記者
(前略)
世間の人々は「正義社会を具現しよう」という言葉に熱狂し、大統領に本当に問うべきことをすっかり忘れてしまっている。ハノイ米朝首脳会談決裂以降いっそう深刻化している韓米同盟の亀裂や、北朝鮮のミサイル発射再開の動きに対してどのように対処すべきかは後回しにされている。
今も北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の非核化という約束を信じているのか、国際社会の対北朝鮮制裁から離脱しようとしているのか、同じ民族同士でうまくやっていこうとしているのか、金正恩委員長に何かを与えて手なずけようとしているのかについて、まだ文在寅大統領の回答が聞けていない。「脱原発」に続き「4大河川堰(せき)撤去」まで本当に押し通すつもりなのか、長官候補者たちの不正疑惑がああいうありさまなのに関係ないと思っているのかも、直接聞いてみたい。
こうした問いに直面するのではないかと心配しているのか、文在寅大統領は海外滞在中もあまり居心地よくはなかったことだろう。韓国大統領府の文正仁(ムン・ジョンイン)外交・安保・統一特別補佐官が「経済的困難が続いている時に政治的利益をもたらす平和イニシアチブに賭けたが、突破口を作れなければ文在寅大統領はおどおどしたまま不確実な将来を迎えるだろう」と診断した通りに、だ。今は少し大衆の視線を取り戻しているが、手詰まりになり、追い込まれてきている。これ以上、支持率を引き上げる手段や行事がなくなってきたためだ。
破たんしたのが北朝鮮問題だけだったなら、こうではなかっただろう。しかし、現政権が試みてきた政策の中で平均点を取ったものは一つもない。所得主導成長政策は、文在寅大統領を選挙で選んだ庶民たちをいっそう経済的に苦しくさせ、「雇用政府」を掲げて税金をばらまいたのにもかかわらず、就職率はさらに下がった。20代の若者たちが背を向けたのも、こうした理由が大きかった。威勢良く推進した「脱原発」は韓国電力の膨大な赤字と海外の原発輸出座礁、関連産業の崩壊につながった。国の経済は成長動力を失い、不況の泥沼に陥る兆しを見せている。一時は「我らのイニ(文在寅大統領の愛称)の思い通りに」と支持してきた人々も、「任期が終わるころには国が回復不能状態になるかもしれない」と心配し始めた。
しかし、現政権の能力では支持率を上げられる秘密兵器がほとんどない。将来のビジョンがない、あるいは将来の不確実性に挑む自信がない指導者は、過去に執着するしかない。新しいものを一つ作るよりも、過去に蓄積されたものを崩して断罪する方がはるかに容易だからだ。元大統領や前大統領を逮捕し、過去の保守政権に携わった人々を責める「積弊清算」を、はるか昔の日本による植民地支配時代にまで延長しようとしている。「反日感情」に関しては常に熱狂する群衆がいるため、このような雰囲気で世間の人々を惑わし、目の前に広がる現実的な問題から目をそらさせようとしているのだ。
(中略:長官人事)
一度やりさえすれば高い支持率生み出してくれていた南北問題が破たんしてしまい、自暴自棄に陥っているのかもしれない。就任から満2年たっていないのだから、間違った政策を修正する時間はある。決心さえすれば挽回(ばんかい)と逆転のチャンスもある。しかし、自暴自棄になってしまうと、事実ではなくなると知りながら事実を歪曲(わいきょく)し、自分が正しいという主張にこだわるようになる。そうして「こうなった以上、このまま突き進む」「お前らはわめいていろ。オレは聞かないぞ」という姿勢になる。これは国家的に最も危険な状況だ。
7日間の東南アジア諸国訪問では外交・儀典上の欠礼が指摘された。だが、個人的に最も印象的だったのは、「大統領のおかげで初めて来たが、行ってみたかったペナンや、コタキナバルの市場で一緒に食べたい物もあったのに、何もできなかった。夫が引退したらマレーシアにもっと来たい」という金正淑(キム・ジョンスク)夫人の発言だった。そのお望み通り、文在寅大統領が引退したら是非そうしたゆとりを楽しんでいただきたいものだ。
ソース:朝鮮日報/朝鮮日報日本語版<【コラム】実に危険な文在寅大統領の「自暴自棄」な心理状態>
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