18/10/07 19:32:04.64 CAP_USER.net
トランプ米大統領は9月26日、国連総会の演説で「誰が米国のドルで保護を受けているのか、誰がそれを感謝して受け入れているのかを検証する」と述べた。「米国は米国を尊敬し、米国の友人だと思える人たちにだけ援助を行う」とも語った。
自由、人権、互恵的平等という普遍的価値を掲げ、グローバル化を主導してきた米国がこれからは「米国優先主義」を追求していくと表明したものだ。米国と関係を持つ国にその秩序に順応しろと迫ったに等しい。韓国は米国のドルを受け取り(貿易黒字)、保護を受ける(核の傘)国だ。トランプ大統領の主張通りだとすれば、韓国はそれに感謝しているかどうか米国の検証を受けなければならない。
その検証は韓国にとって過酷な試練になるかもしれない。ウォーターゲート事件の特ダネ記者、ボブ・ウッドワードは最近出版した本「恐怖(Fear)」には韓国に対するトランプ大統領の認識をうかがい知ることができる部分が出てくる。その内容は衝撃的だ。トランプは韓米軍事同盟(在韓米軍)と経済同盟(韓米FTA)に言及し、盛んにFやSで始まるスラングを吐くという。
「米国は韓国に軍隊を駐留させるのに年35億ドルを使っている。F・・・、撤収させろ」だとか、「F・・・、(在韓米軍は)必要ない。赤ん坊のように大人しくするはずだ」だとか、さらには終末高高度防衛ミサイル(THAAD)を巡り、「クソみたいな土地だ。とっとと引き揚げて(米国の)ポートランドに配備しろ」といった具合だ。
韓米FTAを巡り、トランプと文在寅(ムン・ジェイン)大統領が電話会談した際には、文大統領に感情移入し、うっ憤をぶちまける。トランプは「180日以内に韓米FTAを無効化する文書を送りたい」「あなたがたは米国から略奪している」と責め立てた。文大統領は「誤解があるようだ」「互いに理解し合えることを望む」となだめたという。米国の安全保障担当幹部ですら、文大統領がもう我慢ならないと言いだすのではないかと懸念するほどだったという話だ。ホワイトハウスの奥でトランプの暴言によって汚されている韓米同盟は、彼の側近エリートによってどうにか保たれている。
こうした状況はトランプのせいで生じたのだろうか。彼は天から降ってきた人物ではない。米国の選挙システムを経て誕生した大統領だ。彼を当選させた背景が韓米同盟を批判しているのだ。米国は昨年、約8000億ドルの貿易赤字と6650億ドルの財政赤字に苦しんだ。赤字の相当部分は世界各地の紛争介入や他国の安全保障を守るためにつぎ込んだ資金だ。生活に余裕がない平凡な米国人はそんなカネを使うことに我慢がならないのだ。
米国は北朝鮮の件を適当に乗り切っても構わない。北朝鮮が自滅を選ばない限り、米国相手に核を使うことはない。韓国は異なる。その場しのぎで「核問題は解決した」と公表した後の状況に持ちこたえる能力はない。トランプよりも「米国優先主義」を掲げる大統領が登場し、「北朝鮮は非核化されたのだから、韓国に対する核の傘には名分がなく、在韓米軍を撤収しろ」と言いださないとも言い切れない。米国よりも徹底して完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)にこだわらなければならない理由はそこにある。
それでも北朝鮮の非核化に対する意志は、米国が強く、韓国は弱いように見える。米国は強硬な対北朝鮮制裁を強調するが、文在寅政権は南北経済協力事業で制裁をすり抜けようとしている。文大統領は米メディアに「金正恩(キム・ジョンウン)の首席報道官」などと酷評されても耐え忍んでいるが、その心情には感情移入できない。
チョ・ジュンシク国際部長
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ソース:朝鮮日報/朝鮮日報日本語版【コラム】屈辱に耐える文大統領を眺めて
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