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産経WEST2017.7.29 08:40更新
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「敬愛する金正日将軍様を、国防委員長として高く仰ぎお仕えしていることは、わが祖国と人民の大きな栄光であり幸福である」。
こうした教科書を用いてきた朝鮮学校の教育に、どこまで「自主性」があるのだろうか。
教師や生徒に体制批判の自由はあるのか-。
朝鮮学校が高校無償化制度の対象かが争われた訴訟で、大阪朝鮮学園側の請求を全て認め、北朝鮮の独裁体制を礼賛するような歴史教育が行われていても、本国による教育への「不当な支配」はないとした28日の大阪地裁判決には疑問を抱かざるを得ない。
最近では、園児に「安倍首相がんばれ」と宣誓させた「森友学園」の教育方針が、強いバッシングにさらされた。
「教育に政治を持ち込むな」という文脈のもとで、今回の判決は政府与党が主導した朝鮮学校の無償化除外を違法と断じた。
その同じ指摘がなぜ、「北朝鮮の国家理念を賛美する教育」には当てはまらないのだろう。
これこそ、教育の政治的中立を求める教育基本法の趣旨を逸脱するのではないか。
母国語や母国の文化を学ぶ民族教育であれば、それは当然に尊重されなければならない。ただ高校は義務教育ではない。
もとより高校無償化制度は教育行政の上で絶対に必要なものというより、時の政権による積極的な政策判断として始まったものだ。