17/07/20 10:42:21.91 CAP_USER.net
北朝鮮のミサイル、核に警戒が強まっているが、有事にそれらよりも破壊力を持つかもしれない脅威が、「難民」だ。東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏が警鐘を鳴らす。
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朝鮮半島有事が起きた場合、日本にどれほどの難民が押し寄せるのか。北朝鮮が核開発を名目に核拡散防止条約(NPT)からの脱退を表明した一九九三年、防衛庁(現防衛省)で密かにシミュレーションが行われた。
「K半島事態対処計画」。朝鮮半島有事を想定し、自衛隊がなすべきことを示した指針だ。「指定前秘密」の赤い判が押されたこの秘密文書は、その後の法改正などを反映して修正され、現在も防衛省統合幕僚監部に引き継がれている。
自衛隊が対処すべき項目として情勢緊迫から紛争発生までに必要な邦人救出、弾道ミサイル対処、米軍支援など十二項目が並ぶ。
「難民対策」の項目をみると、単純な軍事攻撃以上の脅威となることがわかる。シリア難民が欧州に逃れ、各国のEU離脱の動きにまで発展しているのをみても明らかだ。
「K半島事態対処計画」は、戦火を逃れ、避難する目的の一般難民について、戦後世界軍事資料をもとに「(人口に対する発生割合を)紛争開始直後に約一%、紛争収拾までに約一〇%に達する」と見込み、紛争発生直後に発生する難民を韓国で約四十五万人、また北朝鮮で約二十四万人と試算、海と陸地から周辺国に流出するとしている。
◆武装難民が紛れ込む
このうち日本には韓国から約二十二万人、北朝鮮からは約五万人の合計約二十七万人が押し寄せ、九州北部や山陰地方沿岸部から上陸すると見込んでいる。
一義的には警察が対処するものの、警察で対応可能なのは難民約三万五千人にすぎず、これを超える大量難民については自衛隊による対処を想定する。
九州、沖縄を担当する陸上自衛隊西部方面隊(総監部・熊本市)をモデルに試算すると、隊員一人につき、難民十人を管理する前提で管理可能な難民は約一万人にとどまり、残る四方面隊からの増援が必要になると結論づけている。
陸上自衛隊挙げての総力戦にならざるを得ないというのだ。一例として第四師団(福岡県春日市)が三千人の難民を任された場合が示されている。駐屯地に隣接した訓練場に仮設の難民収容所をつくり、六人用テントを三百張建て、簡易トイレを三十個設置する。隊員六百人を配置し、第十六普通科連隊長(一等陸佐)が指揮をとるとしている。
軍隊は三割の兵士を失ったら戦闘能力を失うというのが軍事の常識とされる。仮設収容所に駆り出される隊員六百人は普通科連隊の五割に相当し、指揮官の連隊長が「所長」を務めるようでは、部隊は機能不全に陥ってしまう。
さらに問題を複雑にするのは難民に混じって武装難民が紛れ込む可能性があるという点だ。日本での不法行為、テロ行為を目的として難民に紛れ込んで潜入する武装難民は、武器や爆発物の使用、人質の獲得などの犯罪行為に走る。
「K半島事態対処計画」に組織名は記載されていないが、「わが国在住の自国民」や「わが国の国内勢力」と呼応して暴動を起こすこともあるとしている。その結果、日本の安全保障に重大な影響を及ぼす恐れがある場合は「治安出動も考慮する」とある。
陸上自衛隊の多くの部隊が難民対処に駆り出されている最中で治安出動が下令されるのである。この段階になると、テロやゲリラの危険も高まっている。
陸上自衛隊の現員は十四万人弱にすぎない。武装難民やテロ、ゲリラに対処するとすれば、当面の危険はない一般難民にまで手がまわらないと考えるのが自然だろう。
2017.07.20 07:00
URLリンク(www.news-postseven.com)
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