17/07/01 01:30:58.76 CAP_USER.net
4月15日、北朝鮮は建国の父・金日成主席の生誕記念日「太陽節」を国を挙げて祝った。平壌の金日成広場では軍事パレードが行われ、米本土を狙う大陸間弾道ミサイル(ICBM)や新型らしきミサイルを登場させた。
朝鮮労働党の崔竜海副委員長は演説で「米国が挑発を仕掛けてくれば即時に壊滅的攻撃を加え、全面戦争には全面戦争で、核戦争には核攻撃戦で対応する」と述べた。
各国情報筋は、25日の北朝鮮軍創設85周年の「建軍節」の前後に、6回目の核実験を実施する可能性が高いと予測していた。
それに合わせてトランプ政権は、空母カール・ビンソン率いる空母打撃群の朝鮮半島近海派遣及び日米共同訓練、巡航ミサイル搭載のオハイオ級原潜ミシガンの派遣、アフガニスタンでのMOAB (Massive Ordnance Air Blast)使用、
岩国基地におけるF35Bの爆弾搭載訓練、米海軍特殊部隊SEALS支援船の派遣等々、普段は決して公にしないものを続々と公表し、北朝鮮の核及びICBMの実験を牽制してきた。
4月26日、トランプ大統領はホワイトハウスに上院議員全員を招き、北朝鮮に対し圧力の強化を通じて核放棄を求める旨、非公開で説明したという。これらの措置が功を奏したかどうか分からないが、今のところ、核実験は行われていない。(5月22日時点)
習近平を逃がさないトランプ
4月6日、7日、フロリダでトランプ政権初の米中首脳会談が実施された。この際、トランプ大統領は本気で北朝鮮へ圧力をかけるよう習近平国家主席を巧妙に追い込んだ。
北朝鮮の生殺与奪を握っているのは、何といっても「血の盟友」の中国である。近年、中国は北朝鮮の挑戦的な振る舞いに手を焼きつつ、中途半端な制裁でお茶を濁してきたが、トランプは、今後はそうはさせまいと強く出た。その一つが突然のシリア空爆であった。
シリアが化学兵器を使用したことが分かるや、4月6日、間髪を入れずシリア空軍基地を空爆した。しかも米中首脳会談の真っ最中という絶妙のタイミングだった。フロリダ州パームビーチの別荘「マール・ア・ラーゴ」での夕食会の最中、最後のデザートをほおばる習氏に「たった今、シリアに59発のミサイルを撃ち込んだ」と伝えたという。
トランプ政権初の米中首脳会談での夕食会の席上で、シリア攻撃について直接耳打ちされれば、習近平でなくても「理解する」と答えるしかないだろう。
トランプは追い打ちをかけるように、北朝鮮に対するこれまで約20年にわたる「戦略的忍耐」は失敗だった、「あらゆるオプション」を排除しない、中国が北朝鮮を説得できなければ、米国単独でも軍事力行使を含めた対応をとる旨、直接伝えたという。
習近平は、いささか屈辱的ではあっても、シリア攻撃直後だけに、もはやノーとは言えない段階に追い込まれた。同時にトランプは「習近平主席を気に入った。尊敬する。素晴らしい人だ。どうなるかを見ていよう。努力をしてくれると思う」と臆面もなく「ほめ殺し」をした。まさに飴と鞭で習近平の逃げ道を塞いだのだ。
「建軍節」後、中射程ミサイルの発射はあったが、核実験は行われていない。準備万端整えた核実験を実施しないのは余程のことだ。やはり習近平は金正恩に対し、相当な圧力をかけているのだろう。
習近平をその気にさせたのは、空母カール・ビンソンを始めとする一連の軍事デモンストレーションもあるが、何よりシリア空爆だった。このやり口は「指桑罵槐(しそうばかい)」という中国の兵法書「三十六計」の計略の一つである。
「桑を指して槐(えんじゅ)を罵る」はつまり、本当に注意したい相手を直接名指して注意するのではなく、別の相手を批判することで、間接的に人の心をコントロールしようという作戦だ。「桑」がシリアであり、「槐」が中国だったのである。米国が中国に対し中国の計略を使うというのは如何にも面白い。
戦略家のマティス国防長官、マクマスター大統領補佐官が立案したのであろう。彼らならではの絶妙な作戦である。
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