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度(弁護士法71条)もほぼ同様の考え方に基づく。)。懲戒請求は,弁護士活動に対する批判のための手段として設けられた制度ではないし,
弁護士活動に対する苦情申立制度でもない(弁護士会の苦情相談窓口などで責任をもって対処されるべきものである。)。特に,前者について
いえば,もとより不当な弁護士活動が批判の対象となると同時に懲戒事由に該当することはあり得,その場合は懲戒請求は当然妨げられること
はないが,しかし,そのことは,懲戒請求が弁護士活動を批判するための制度であるということを意味するものではないのである。更に,ある
弁護士につき品位を失うべき非行などの懲戒事由が認められるのに弁護士会が懲戒権限を正しく行使しないというような場合,弁護士会の懲戒
制度の運用は不当であり,これについても世論などによって厳しく批判されてしかるべきであろう(所属弁護士会の懲戒しないとの結論に不服
な懲戒請求者は,日弁連綱紀委員会に異議を申し出て,その審査を受けることができ(弁護士法64条),更にそこでその結論が維持されたこ
とで不服な場合は,非法曹のみによって構成される綱紀審査会に審査請求をすることができる(同法64条の3)。)。だがそのことと懲戒請
求を行うこととは別であって,懲戒事由の存否は冷静かつ客観的に判定されるべき性質のものである以上,弁護士会の懲戒制度の運用や結論に
不満があるからといって,衆を恃んで懲戒請求を行って数の圧力を手段として弁護士会の姿勢を改めさせようとするのであれば,それはやはり
制度の利用として正しくないというべきである。(3)これに関連して,ある刑事弁護活動が懲戒事由に該当するということを理由として懲戒請
求がなされる場合についていえば,特にそれが多数なされる場合の影響は少なくない。一般に,被疑者,被告人の犯したとされる犯罪の凶悪性,
残忍性が広く報道されたような場合,弁護人は厳しい目にさらされる一方で,時には