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■公務本格復帰への転機 期待 ｛オランダ訪問｝
皇太子妃雅子さまが療養に入られて今年で１０年。オランダ訪問が実現すれば回復に向けた大きな一歩だが、
関係者によると、雅子さまの体調にはまだ波があるといい、医師団や宮内庁のサポートが重要になる。
今回、ご夫妻でのオランダ訪問を決断された背景には、７年前にご一家を静養に招いてくれた
王室の慶事に参列したいとの、雅子さまの強い気持ちがあったという。
雅子さまは２００３年１２月に療養に入り、０４年、精神疾患の適応障害と診断された。
以降、皇太子さまの外国訪問は公式が１３回、私的が７回あったが、雅子さまが同行されたのは
０６年のオランダ静養だけだ。
雅子さまの海外訪問について、東宮職医師団は１０年２月、「公式日程が続く公式訪問は負担が
大き過ぎる」との見解を発表。
一方、私的訪問については、「検討されることが望ましく、治療の面からも効果的」としていた。
雅子さまは１０年３月～１１月１２月、学校生活に不安を訴えられた長女愛子さまの通学に
毎日のように付き添われ、昨年夏までは、その疲れが出ていた。
ただ最近は体調が比較的安定し、今年２月には３年４ヶ月ぶりに東宮御所での要人との面会に
お1人で出席されるなど、回復の兆しもあった。
一方、国内での公務は１１年６～８月に東日本大震災で被災した宮城、福島、岩手県を日帰りで
慰問されていたが、泊りがけの地方訪問は１０年１月の兵庫訪問以来、実現していない。
公務も欠席が続き、１８日の園遊会も欠席が決まっている。
今回、雅子さまの出欠がなかなか決まらず、風岡典之・宮内庁長官がご夫妻に早期の決断を
求める異例の事態となった。 ご夫妻が医師団と相談しながらぎりぎりまで同行の可能性を探られて
いたためで、今後も出発前の体調によっては見直される可能性がある。 しかし、外国訪問や公務が
ぎりぎりまで決まらないのは望ましくない。 オランダ訪問が実現し、回復と、公務への本格復帰の
転機になることを期待し、同庁にはご夫妻との意思疎通を一層深める努力を求めたい。（太田雅之）