13/03/06 22:55:28.93
川嶋先生のヴォランティア仲間の手記。
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川嶋舟さんの結婚披露宴
Silk time of Kazuyo San
学士会館の階段を昇る時、メディアのカメラフラッシュを意識した。
俺を撮っても仕方ないと思うが、彼等にとってこの40人位の小さなパーティーに出る選ばれた人達は、
ターゲットになりうるのだろう。それにしても俺なんか・・と思う。
待合室にいる時、秋篠宮殿下、紀子様が入って来られた。
和代さんが俺の服を引っ張って紹介しようとする。
「俺はいいですよ。」と避けて部屋の隅っこに行く。
舟さんの司会でパーティーが始まった。
俺のテーブル、俺以外は全部東大教授または助教授、大変なもんだ。
偉そうな人が二人スピーチした。笑声なし、炭坑節もお手を拝借も、万歳三唱もない結婚式。
こんなのは初めてだ。ところが、このパーティーは自分にとって一瞬の輝きがあった。
突然、秋篠宮殿下と紀子様が揃って俺の所に来られた。
どうやら和代さんが引っ張ってきたらしい。しかし、お二人に何を言っていいか分からなかった
「いつもお世話になります。」とか「今後共宜しくお願いします。」とかはあわない気がした。
しかしこれは非常に名誉な事だと気が付いた。紀子様が小さな声で何か言われた。
「ありがとうございます。」と言ったようだった。その言葉は天の鈴の様に響いた。
紀子様はお元気で、肌は透き通る程白く、あの岳滅鬼山で見たシャクナゲの回りにあった
ベールと同じものがお身体を包んでいる様に思えた。
それにしても疲れたなぁ。羽田で一人でコーヒーを飲みタバコを吸った時、重い任務を果たした気がした。
そして今、Kazuyoさんもほっとして一人で紅茶を飲んでる様な気がした。
岩里正生