12/06/17 22:38:25.24
>>507
ご回答ありがとうございます。
木谷説等は,折衷的相当因果関係説の問題点克服で出発していても,その理論とする母現法にない予見可能性理論を取り込むため,ドイツ刑法通説の「危険の現実化説」から遊離しているやに危惧します。
しかし,これもドイツ刑法と本邦刑法の見解の相違で結論に差異はなく要するに判例を統一的に説明する技法だからでしょう。
ドイツ刑法の「危険の現実化説」は,行為者の主観的要素を因果関係から排除する純客観説に依拠するので,行為者が特に認識予見した事情が排除されるかと思います。
ですが,因果関係は本来客観的になされるのがベストだと私も思いますので,予見可能性の基礎事情は
一般人が行為者だとしたなら認識予見できた事実形象をもとに,その認識可能性と予見可能性の評価判断基準は一般人の認識予見能力
とするのが本当なのかも知れません。
これらの見解の相違が,特殊業過における証拠化レベルの判断では,実は全くないしほぼ同じなので,議論する実益に乏しく,折衷的相当因果関係説で不都合はないものなのです。
ただ,証拠を離れた純刑法理論として見た場合は,興味は尽きません。
ご指摘ありがとうございました。
511:氏名黙秘
12/06/17 22:47:29.60
官僚と検事はどっちが忙しいの?
512:氏名黙秘
12/06/17 23:06:05.27
>>511
そんなものはポストや勤務地によって大きく違う。
大雑把に書くと、両方とも東京にいる間は忙しい。
その次に大都市圏の順と思っていい。
官僚は入庁後20年くらいは、馬車馬のように働く覚悟が必要。
その後もポストによっては忙しい。
忙しいだけを書けばこんな感じ。
513:謎P ◆Zxmo0yiQgw
12/06/17 23:15:49.06
>>507 さん
>>510 私も現職Pさん
横レス失礼します。<(_ _)>
お二人の議論を興味深く拝聴させていただきました。o(_ _*)o
ちなみに米国連邦法レベルでは,行為者が結果発生の現実的危険な外形的行為の存在をPが立証すれば,故意の不存在の挙証責任がAに転換されますが,因果関係は客観的因果関係(素因)の存在をPが立証すれば足りるらしいです。
本邦やドイツで議論されている故意過失行為の介入(因果関係の中断or断絶理論)は,因果関係の競合に過ぎない,で済んでいるようです(楽ですね)。
これら諸外国の刑法理論の比較法チックに累積的因果関係や重畳的因果関係を設例事案としたら,興味は尽きません。
514:氏名黙秘
12/06/17 23:16:54.44
>>508
>行為の危険を客観的に判断するとは具体的にどのような事なのかわかりません
危険の現実化説と称される立場は、おそらく行為時に存したすべての事情を基礎として
実行行為の危険性の有無を判断していると思います。この限りでは客観的相当因果関係説と
同じではないかと常々考えております。相違点は行為後の特殊事情が介在した場合の判断方法です。
これまでに挙げた文献の他には、平成15年最高裁判所判例解説(最判H15.7.16:暴行とその被害者が
現場からの逃走中に遭遇した交通事故による死亡との間に因果関係があるとされた事例:山口雅高調査官)
事例研究刑事法Ⅰ(問題1:居眠りが招いた悲劇:佐久間佳枝検事)などが危険の現実化説を解説してます。
>>509
行為後の異常な事情について予見可能性がない場合であっても実行行為の危険性が具体的な結果に現実化したと
評価できるときには、因果関係を肯定する、という点において、相当因果関係説と結論を異にするため、
危険の現実化説の実益を認めることができると言われているのではないでしょうか。むろん、相当性の中身、
予見可能性の中身の解し方如何による立場の相違はありえます。
>>510
現職の検事に対して何かしらの意見をする立場ではないことは十分に承知しております。
ただ、おそらく旧試の頃よりも相当因果関係説の理解や当てはめが良くできない学生が多くなっている
のではないか、という印象を持っております。にも関わらず近時の判例をよりよく説明できると
称して危険の現実化説を答案に書く学生が非常に多いです。当方もこれまでに挙げた文献等を読んで
危険の現実化説(受験時代には判例=条件説+中断論と単純に理解しておりました)を理解したところです。
ドイツ刑法の学説につき、ご教示ありがとうございます。
515:氏名黙秘
12/06/17 23:19:11.79
>>513
おそれいります。
それにしても、現職の検事の方々がドイツ法やアメリカ法にお詳しいとは想像しておりませんでした。
教官か何かの役職にある方々ではないかと思います。
516:氏名黙秘
12/06/17 23:25:47.98
自演
517:氏名黙秘
12/06/17 23:30:27.64
名無しとして盛り上げて下さって、ありがとうございます。
518:私も現職P ◆GBdqT.h3Xg
12/06/17 23:36:12.15
>>514
>ただ、おそらく旧試の頃よりも相当因果関係説の理解や当てはめが良くできない学生が多くなっている
>のではないか、という印象を持っております。にも関わらず近時の判例をよりよく説明できると
>称して危険の現実化説を答案に書く学生が非常に多いです。
全く同感で,相当因果関係説を正しく理解してないで危険の現実化説まで誤解してるのに,「相当因果科刑説より近時の最判を説明できる」,という珍答案の採点に悩んでいるところです。
どうも,某予備校の某教師がそういう指導やコメントをしているみたいです。
このスレに参集するP志望の受験生の皆さんは,折衷的相当因果関係説で刑法理論をまとめることを希望します。
それでもあきたらなくなったら(相当因果関係説に飽きたら,呆れたら)危険の現実化説(但し日本バージョン)に進まれるとよいでしょう。
PS:ドイツ刑法理論は後期修習時代の独刑法ゼミでの中野次雄元判事のご指導のおかげです(オヂギ。
519:氏名黙秘
12/06/17 23:40:33.48
URLリンク(nobuogohara.wordpress.com)
520:謎P ◆Zxmo0yiQgw
12/06/17 23:42:24.12
>>515
いえいえこちらこそ(^^ゞポリポリ。
小生は,非常勤の内部研修講師はやったことがありますが,教官はやったことがない無名の自称沖ノ鳥島支部長Pです。<(_ _)>
米国連邦刑事法の実務をみると,ラフジャスティス+バーゲニングは随分楽でいいなぁと不遜なことを考えている体たらくです。
ちなみに小生は,ドイツ法は団藤刑法綱要に書いてあることしか分かりません。(^^ゞポリポリ。
521:氏名黙秘
12/06/17 23:48:49.05
うっかりマーシーの処分はいつ頃決まるんだろ?
随分、時間かかってるね
522:氏名黙秘
12/06/17 23:54:37.99
>>514
ありがとうございます。
因果性についてはあくまで客観的に判断する、という前提であれば、それはそれで合理性があるのかも
知れないですね。
>>514先生のレスに加え、私も現職Pさんや謎Pさんのレスも熟読させて戴いて、そのように考えるようになりました。
受験生の中には「結果が生じたから因果関係あり」と理解している人も少なくないようなので、その点は
疑問に思いますが。
以上のように理解したとしても、総研によれば、「あり得る事だ」「異常で無い」「希有でない」と言えれば相当因果関係を認めるとの事
だったので、そのような見解によれば結果に違いは生じず、私個人としては、私も現職Pさんが仰るように、やはりあまり実益は無いように思います。
最判H15.7.16については、総研では相当因果関係説で説明可能とされていました。
また、説得力のある論証をするのは逆に難しく、いわゆる論証パターンとして完成されていない印象も受けるので、ちょっと腰が引けている所もあります汗
ご教示いただいた文献については熟読しておきます。感謝いたします。m(__)m
523:氏名黙秘
12/06/17 23:58:46.80
>>518私も現職Pさん
私は相当因果関係説も時々あれっ?(;・∀・)となるので多分そのレベルは難しいです_| ̄|○
524:私も現職P ◆GBdqT.h3Xg
12/06/18 00:10:45.64
>>523
私も因果関係論をマスターしたのは卒1時代でそれまで五里霧中でした。
本当に難しいと思います。今でも理論を突き詰めると穴にぶつかることがあります。
ちなみに,今の最高裁調査官の秀才Jの大半は,ほとんど折衷的相当因果関係説(団藤説)です。
なお,Pの場合は,疑わしきはAの利益を大前提にガチ立証するためには,折衷的相当因果関係説(ただし上限は客観的相当因果関係説)でしょう。
採証可能性の問題もあるので「危険の現実化説」は,採用が実務上困難だと思います(実務の限界)。特に特殊業過では。
525:氏名黙秘
12/06/18 01:05:04.15
独学予備受験生として興味があるのは、
行為の判断として折衷的相当因果関係説を採用するとしても、
基礎とする条件関係は合法則的条件関係ではないのか、
何が相当なものかとの判断基準はどうするのか、という疑問です。
「あれなければこれなし」の「条件公式」で立証するより、
「あれがあったからこれがあった」と立証しているのではないか。
相当性の判断基準はこれが類型化でしか得られないかもしれないが、
やはり抽象的な「相当」で判断するのは無理なので。
526:私も現職P ◆GBdqT.h3Xg
12/06/18 01:23:03.14
>>525
基本的に,条件関係がなければ因果関係は成立しません(通説判例)。
そして,相当性の基本判断では,①故意行為が介在したら因果関係は断絶(切断)され,②過失行為・無過失行為が介在しても因果関係は肯定される,でよろしいかと思います。
とくに,時間的先後関係を問わずXY過失の競合は,過失の競合として,XもYも過失責任を負います(判例通説)。
故意犯罪に過失行為が介在した相当性などは,社会常識で考えればよいと思います。
たとえば,コンビニ強盗のAが店を襲って顧客Vが店外に走って逃げたら前方不注視の自動車に跳ねられてVが即死した,という事案であれば,強盗とV死亡の間に因果関係が認められ強盗致死罪の刑責を負います(通説判例)。
強盗でコンビニを襲えば顧客が店外に逃げることは通常人なら予見可能で,慌てたVが不用意に道路に飛び出して交通事故に遭う(コンビニは道路端が大多数)のも予見可能だからです。
527:氏名黙秘
12/06/18 01:55:00.27
>>526
ありがとうございます。
相当性については理解しました、
条件関係について(私の質問の仕方が悪かったのですが)、
条件関係の有無の判断方法を質問したかったのです。
それぞれ、さらに勉強したいと思います。
528:氏名黙秘
12/06/18 02:28:42.39
今でも行為後の事情につき前田3要件で受かってる人も多そう
なんですが受けは悪いんでしょうか
一応判例理論の分析してまとめた要件とのことですが…
529:私も現職P ◆GBdqT.h3Xg
12/06/18 06:21:36.55
>>528
①危険の現実化説と前田3要件を正確に記述し,②その①の理論的根拠と実益を理由付け,③相当因果関係説を理由を着けて批判する,という論証三要件を満たせば合格答案も夢ではないでしょう。
ただ,実際②の論証に唸らせる答案にはお目にかかったことがないので,②に力点を置いてください。
530:氏名黙秘
12/06/18 10:42:33.84
予定調和
プロレス
531:氏名黙秘
12/06/18 11:11:05.00
>危険の現実化説と前田3要件の理論的根拠と実益を理由付け
ないものねだりなんじゃないの?
532:氏名黙秘
12/06/18 15:37:18.84
>そして,相当性の基本判断では,①故意行為が介在したら因果関係は断絶(切断)され,②過失行為・無過失行為が介在しても因果関係は肯定される,でよろしいかと思います。
このように一般的にいっていいのでしょうか。
例えば、大阪南港事件は故意行為の介在ですが、因果関係を肯定しています。
533:氏名黙秘
12/06/18 16:16:30.04
現職さんたちは、折衷的相当因果関係説を推奨していますが、
検察全体の共通了解事項じゃないのでは?
高森高徳検事は、基本は条件説、不都合なら何らかの修正を施せばよい、
と言ってますよ?
検事によっては、前田説で事件処理してる人もいるのでは?
法総研での検察事務官の刑法研修では、前田教授の本が机に
並びますが?シリアルナンバーを打ってる前田本を配布する
くらいですから。法総研の教官は皆さん検事ですよね?
534:氏名黙秘
12/06/18 16:19:31.80
検察官は公人なのに、どうして経歴を公表しないのでしょうか?
535:氏名黙秘
12/06/18 17:38:12.88
>>532
横レスだけど、「基本」判断なんじゃないの。
南港は例外をどう論じるかの問題では?
いや例外じゃないというのが危険の現実化説なのかもしらんけど。
>>533
条件説を取った際に不合理な結論に至るのを避けるため相当因果関係をとるとされて来た訳だが
なんか矛盾することある?
536:氏名黙秘
12/06/18 17:49:59.83
>>535
なんで「折衷的」を抜かす?
それに条件説を捨てて折衷的相当因果関係説をとれじゃないよ?
修正条件説だって言ってるんだよ?相当因果関係説じゃないよ?
何言ってるの?
537:氏名黙秘
12/06/18 17:52:51.00
>>536
相当因果関係説は条件関係を前提にしてるんだけど
そんで修正を加えるものなんだけど
まんどくさいから省いたけど折衷的入れても何の問題もないんだけど
538:氏名黙秘
12/06/18 17:59:20.52
>>537
そんな日本語レベルだけで考えることはやめてくれよな?
学説分類に従ってくれよな?
条件説の修正は因果関係の中断論ってことだよな?
中断論と相当因果関係説が同じってか?
あなた、馬鹿ですか?
539:氏名黙秘
12/06/18 18:03:04.45
現役の実務家には満足できる出来じゃないのかも知れませんが
前田説だろうと危険の現実化説だろうと実際受かってますよ
再現見る限り。もちろん1桁2桁レベルの合格者も。
事案処理と構成だけで既に勝負が決まる試験になってますし
540:氏名黙秘
12/06/18 18:03:25.44
>>533には書いてないけど、そのP教官は条件説とって中断論を論じろ、相当因果関係説とか無いわって言ったの?
541:氏名黙秘
12/06/18 18:05:07.26
>>539
ちゃんと論証が出来てりゃそりゃ受かるでしょ。
でも大変よねって話だろ。