12/04/29 08:45:42.60
>>273-274
賄賂性の主観的証拠が得られ難いなら,「現金収受という客観的事実を犯罪とする」という立法趣旨で政治資金規正法の度重なる改正に進んだという我が国の法制史があります。
現在の政治資金規正法の届出書類に政治家自身の自署押印を求めたのも,「秘書が勝手にやったことだ。俺は知らないし,見てもいない。」という弁解を封じるためだ,と記憶しています。
ただ,自署押印しても,「詳細な内容の報告を受けていないし(秘書を信頼していたし),違法性の意識はない。」という弁解で無罪になる筋道が残ってしまったことになります。
ちなみに,私は団藤説なので,違法性の意識は故意の要件ではないが「適法行為の期待可能性の理論」に基づき「違法性の意識の可能性」は故意の要件だと解釈しています(判例は単純不要説?)。
それはもちろん,人格責任に由来する帰結であるとともに,「法は不能を強いらない」からです。