12/08/05 12:39:19.39
>>775
法的安定性は相対的なものなので、弁済の有無が全て債権者の事情だけにかかる解釈より、
原則、弁済有り、例外的な特殊事情があるときだけ、信義則で救済、という方が、相対的にみれば、
随分安定するでしょ、という話です。信義則は、法的安定性を犠牲にしてもなお、
結論を覆す要請が上回る場合に使われる技術だから、元々そういうものだと思います。
具体的には、書類交付して、握手して別れようと思ったらコーヒーこぼして書類だめにして、
「もう一度ちょうだい」といったのを「絶対嫌!」と言われた、というくらいが典型かなあ。
債権者の落ち度があるのはわかるけど、さすがに当該事案の下では、弁済の主張することが
信義則に反する、という感じ。
何年も買主がほったらかしといて、それで書類なくしたあげく、弁済の抗弁に対して、
もういちど意思表示しないことが信義則に反する旨の主張しても、無理でしょう。
一般条項上手に使えるようになったら上級者、と民法の先生が何度も言ってたけど、
俺はそんなたいそうなものじゃないから、相当使い方いいかげんかもしれないけどw
>信義則処理だと実体法上の請求権としては消滅しており弁済の主張が封ぜられるというのは訴訟法上の話ということになるんでしょうかねぇ。
ここは、一応整理しといた方がいいと思う。これは完全な実体法上の主張。
仮に、信義則違反が認められれば、当該事案限りで当事者間で弁済はなかったとみなされる、
という実体法上の効果が発生します。それが「弁済を主張できない」ということの意味。
>倒産法に限らず総じて自分の不理解は理解できたので勉強し直そうと思います。
とんでもない、こちらこそ丁度過疎ってたので、十分な議論ができて大変勉強になりました。
自分の理解の曖昧なところを見直そうと思います。ありがとうございます。