11/09/28 21:23:58.80 jg4Zoy0m
「…それよりも…先ほどは、あなたの恥ずかしい本名を聞いてすみません…」
「…よろしいですわ、もう過ぎたことですし…
…どうしても反省したいと言うのなら私の言う事を聞きなさい。」
「…わ、分かったであります…」
「…今後一切、私から離れていくのはなりません。
…秘密を知るものとして、あなたが言う素晴らしい夢を持つ私を見本として、
これから一生私だけを見てください…よろしいですわね。」
「はい、約束するであります。
約束を破ったら殺されることもいとわないほどに約束するであります。
…なんちて☆」
「…ふぅ…相変わらず面白い人ですわね…」
「…いやぁ、それほどでもないですぞ、セレス殿…」
「…本名を知っているんだし…もう堅苦しくセレス殿と呼ばなくていいですわよ。
安広多恵子殿…そういってくださったほうが堅苦しくも無くていいですわ。」
「はぁ…それじゃそう呼ばせていただきます…安広多恵子殿…」
「…ふふ…なんだか、あなたの優しそうな声で呼ばれると面白いですわね…」
…あのときの安広多恵子殿…いつもより笑顔でわらっていたなぁ…
…キッt心の中で秘密を分かってくれているのが嬉しかったんだ…
…それを僕は裏切って…パソコンの中の存在なんかに夢中になって…
…罰が当たったんだ…安広多恵子殿から目をそらしたから
安広多恵子殿の怒りをかって殺されたんだ…
…記憶を失っても…安広多恵子殿は…心のどこかで約束を覚えていたんだ…
…だから僕を殺したんだ…それと、卒業した際の百万円…
…あれで夢をかなえようとして…お母さんに裕福な暮らしをさせようとして…
…それもあって僕を殺したんだ…
…だから、安広多恵子殿は何も悪くない…全て僕の責任だ…
…ならば、もし学級裁判でセレス殿が犯人だとばれても…
…だれも、セレス殿を恨まないようにしよう…
「ねぇ山田。誰にやられたの!?
誰があんたを襲ったの?犯人は…誰なの?」
「犯人…犯人の名前…僕は知っている…思い出したんだ…」
(…言うんだ…安広多恵子殿を裏切った僕が全部悪い…
…だから犯人は全部の責任である僕だ…
だから安広多恵子殿をうらまないでほしいって…)
「や…やす…ひ…ろ…」
…そこまで言って僕は力尽きた…
…結局…途中までしかいえなかったな…
…僕って最低だな…安広多恵子殿を裏切った挙句に…
…安広多恵子殿をかばうことも出来ないなんて…
(…安広多恵子殿とっては皮肉な話だよな…
…秘密を知ったものがこんな役立たずなんて…)
そう思いながら僕は静かに眠りについた…
終わり