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Steve Jobs氏が2011年10月5日に亡くなって以来、多くの人々が彼の構想やリーダーシップを賞賛している。Jobs氏は、PCやパーソナルメディアの
利用の仕方やコミュニケーションのあり方を大きく変えた。そして誰もが、彼の生み出した「iBook」や「iPhone」、「iPod」、「iPad」などの製品を知っている。
一方で、Jobs氏が無線LAN(Wi-Fi)の普及に多大な貢献をしたことは、意外にもあまり知られてはいない。
彼がいなければ、私たちは今もまだノートPCにイーサネットのプラグを差し込んでいたかもしれない。彼の意欲と構想が、無線インターネットを形作った。
では、それはどのようにして生まれたのだろうか。
話は、1996年にJobs氏がAppleに復帰し、デスクトップPC市場だけでなく、ノートPC市場にも参入すると決断したところから始まる。この決定を受け、
1999年にiBookが誕生することとなる。
だが、Steve Jobs氏のSteve Jobs氏たるゆえんは、競合他社品との差異化を図るべく、常に独自性を探求する点である。私は、彼を補佐する人物の
1人から連絡を受け、Appleの本社がある米カリフォルニア州クパチーノ(Cupertino)に赴き、無線LANについて説明するよう依頼された。
当時、私はLucent Technologiesで無線LAN部門のジェネラルマネジャーを務めていた。私たちはオランダを拠点として、無線LANカード「WaveLAN」の
開発と販売を行っており、販売台数は多くはないものの、まずまずの成功を収めていた。WaveLANは、小売店のPOSシステムや病院、学校などニッチな
市場を対象とする製品で、当時としては非常に珍しい、セパレートタイプのアドオンカードだった。
当然ながら、私たちは同製品の普及に尽力し、ノートPCへの搭載を目指してDellや東芝などと交渉を続けていた。だが、コストが高すぎることや用途が
限定されていることなどの理由から、交渉は難航した。当時はまだ今のように“モバイル機器で世界とつながる”という発想はなく、私たちは「イーサネット
ポートが搭載されているのに、なぜ無線接続が必要なのか」という疑問を何度も投げかけられた。
LucentのWaveLAN開発チームは、1991年に初めて同製品を投入して以来、WaveLANを搭載すれば無線接続がいとも簡単に実現できるという点を売り込み、