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■レギュラーシーズンの価値は…
メジャーのレギュラーシーズンは162試合。ワールドシリーズを目指す戦いはトーナメントになるが、その参加資格はあくまでレギュラーシーズンの長丁場の戦いの結果が尊重されるということなのだ。
日本の球団はどんなビジョンがあって、この制度を採用したのだろう。
各リーグの3位までがポストシーズンに進めることにしたため、「史上最大の下克上」が話題になった一昨年のロッテのようにレギュラーシーズン3位から日本一というケースも出てくる。
ロッテの健闘はたたえられるが、そういうシステムがいいかどうかは別問題だ。
例えば、レギュラーシーズンを負け越しても、3位に入り、日本一になる可能性もある。五輪では敗者復活戦から勝ち上がっても銅止まり。
プロ野球は敗者復活戦から金メダルもあり、という不可思議なことになってしまったのだ。
■プロ野球の視野の狭さ
私が現役のころはシーズンの優勝が第一の目標であって、2位以下はみんな敗者だった。「3位以内」などという目標設定はあり得なかった。
秋季練習から自主トレ、キャンプ、オープン戦。なんのためにこれだけの準備を重ねるかといえば、リーグ優勝を果たして、日本シリーズに進むというただ一つの目標のためだった。
日本のレギュラーシーズンは144試合。その結果をいとも簡単にひっくり返してしまうやり方は、自分たちで自分たちのシーズンの値打ちを下げることになるという点に、どうしてだれも言及しないのだろう。
自己完結してしまっているプロ野球の視野の狭さが露呈している。
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また、もう一つこのCSのマイナス点をあげるとすると、現在低迷する阪神のようなチームは、昔なら目標設定を来年に定め、若手育成や来季をにらんだ選手起用をするはずだが、
3位ならまだ可能性があるために、勝ち負けにこだわらざるを得ない状況になっている。中長期的なチーム作りということを考えた場合、負けが負けでなくなるCSは、危険な制度だといえる。
■責任の所在もボヤけたものに
3位までならOKというシステムでは、責任の所在もボヤける。そして明確な「負け組」とならずに責任者が責任を回避できる。
プレーオフをやるなら、かつてのパ・リーグのように前後期制にする方がまだ理にかなっている。
交流戦やオールスターまでを前期、それ以降を後期とし、前期の優勝チームと後期の優勝チームがリーグ優勝を争う。その勝者が日本シリーズで戦う。
また、別な案だが、セ・パの前後期覇者の4チームがたすきがけで戦うのもいい。
結果的にどちらかのリーグだけが勝ち残ってもそれはそれでいい。
前期であれ後期であれ、とにかく優勝チームだけが日本一を手にする権利を持つというところが肝心だ。前後期の優勝チームが同じ場合などの扱いについては別途考えればいいのである。
■一時の利益を追いかけるのが得策かどうか
3位に入ったら、とりあえず合格点というやり方は本当の勝負とはいえない。今は盛りあがっているようにみえるファンもやがてはペナントレースの薄っぺらさに気付き、プロ野球から離れていくと私は思う。
もちろんCSにも消化試合を少なくするといった利点はある。ただ、長期的視点に立ったとき、CSであがる一時の利益を追いかけるのが得策かどうか。
コミッショナーはじめ、プロ野球を経営する方々に大きなビジョンを持った方がおられるかどうかというところにかかっている。
改革なくして、昔のような魅力あるプロ野球にはならない。
今、ビジョンを持ったリーダーが求められている。現在のプロ野球界は“大相撲化”するかどうかの分岐点に立っていると思う。