12/05/10 17:57:59.92 Wp+fPyk7
巨人の"裏契約金"問題は、サッカー界から見ればうらやましいよ
プロ野球の巨人の"裏契約金"問題が話題になっている。僕はルール違反かどうかを論じる
立場にないけど、その金額の大きさには驚かされた。新人6選手に計36億円の契約金なんて
スケールの大きい話だよね。
Jリーグの新人選手には、契約金ではなく支度金という名目で最高500万円まで支払われて
いるけど、年俸も含めて、同じプロスポーツなのにここまで差があるとは。
あらためて日本におけるプロ野球人気の高さを感じたね。
なぜ、Jリーグは選手に大金を払えないのか。僕は各チームのトップに立つ人間の"立場"と
経営への積極性に大きな問題があると思っている。
プロ野球の場合、どのチームも日本を代表する大企業のトップが実質的なオーナーで、
すべての決定権を握っている。ソフトバンクの孫正義さんしかり、読売のナベツネ(渡邉恒雄)
さんしかり、そうそうたる顔ぶれだ。そんな大物たちが本気でチーム経営に関わっている。
だから、欲しい選手がいれば、時には利益を度外視してもドーンとお金を出す。
一方のJリーグはどうだろう。各チームのトップは、親会社からの"天下り"が大半。
神戸は楽天の三木谷(浩史)さんが実質的なオーナーだけど、野球とは本気度が違うというか、
サッカーは自分の故郷への貢献程度に考えているように見える。ともあれ、各チームは
欲しい選手がいても、親会社にお伺いを立て、お金を出してもらわないと動けない。
しかも、最近は景気が悪いので、その予算も削られている。これじゃ太刀打ちできないよ。
ブラジルの場合は"名士"と呼ばれるオーナーがいてもいなくても、チーム経営の積極性が
Jリーグとかなり違うね。若くていい選手がいれば、契約金こそ払わないものの、手形を切って
銀行を絡め、スポンサーから資金を調達するなどして、いきなり数億円単位の複数年契約を結ぶ。
高いお金を払っても、クラブの価値、観客動員数、グッズの売り上げはアップするし、
売り時を見誤らなければ高額の移籍金も見込めるからだ。ダルビッシュが日本ハムに
40億円残してメジャーに行ったけど、それに似ている。
対して、Jリーグは選手を移籍金0円でヨーロッパに引き抜かれているのが現状だ。
「百年構想」を掲げるJリーグの成熟に時間がかかるのは仕方ないことなのかもしれない。
ただ、プロ野球との差がスタート当初よりむしろ広がっているのは心配。大勢いた1億円プレーヤーも、
世界のスター選手もほとんどいなくなった。「Jリーグは地域密着だから」という"言い訳"も、
日本ハムやソフトバンクの地元での人気ぶりを見ればむなしいだけ。
ここ数年は、有望な高校生がJリーグの誘いを断り、大学進学を選ぶケースも増えている。
年俸が安く、身分の不安定なJリーガーになるより、まずは大卒という学歴を手に入れてから
将来を考えようというわけだ。
今年、ある大卒新人選手がJ2クラブの入団会見で「周囲が一流企業に就職するなかでの
Jリーグ入りは少し不安がある」とコボしたそうだけど、それが選手の正直な気持ちだよね。
才能ある選手が、最高の舞台であるプロリーグにいち早く進み、夢を追う。そんな当たり前の
環境が整えられないようでは、日本サッカーのレベルアップなんて望むべくもないよ。
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