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土佐と内蔵助が自刃した 甲賀町口郭門の戦い
土佐藩士氷室隼人の手記によると、
「このときの戦に、七十歳ばかりの老人槍を 引っ提げ躍り出て、
味方の一人を刺し、引き込む槍の石突で他の一人の腰を突いた ので、
その一人も後にドッと倒れた。
この勇敢なる老人を眺めていた他の一人は、遂に鉄砲でこれを撃ち倒した。
ところが、それと同時に十四、五歳の少年が槍を構 えて手向かって来たので、
其奴を生け捕れ、生け捕れと叫んだが、
またぞろ一人が 刺されたのでこれもまた鉄砲で射殺した。
その夜はある家に泊り、酒を求めて大い に飲んでいたところ、
ある者が先に殺した少年の首を携え来り、
御肴持参と称して 大皿の上に載せたので、
一同は“愉快極まるこの夜の酒宴、中にますらお美少年”
と歌って、大いに酒を飲みほした」という。
■この勇敢なる老人と少年というのが、
佐藤與左衛門七十四歳と、その孫の勝之助 十四歳であった。
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“愉快極まるこの夜の酒宴、中にますらお美少年”
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