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この結果、次のことが分かる。粒子の大きさが50μm 以下
のもの(つまりシルト)は、大気中に浮遊するが強風が前提である。
視界(視程)が50m以下になるに瞬間風速は 25m/s、風力は 10級以上
の強風が前提であり、このような砂塵嵐は
破壊力が強大のため、「黒風」または「黒風暴(カラブラン)」と呼ばれる。
したがって平安京においてもシルトが相当程度乾燥し
(参考:黄砂の発生源のゴビ砂漠の年間降雨量は60㎜)
かつ風速25mを超えればこのような視程50m以下の砂塵嵐を起こすことが
可能である。
では、風速25mはどのような状況下を見るとために気象庁の
下記資料を参照して欲しい。
URLリンク(www.jma.go.jp)
この資料でよれば、風速25mは時速では100kmであり、屋外では
人は立つことができず、樹木が根こそぎ倒れ、鋼製シャッターや
ブロック塀が壊れ、外装がはがれる状態である。
30mを超えると木造住宅は全壊することとなる。
参考動画(えりも岬の風速25m体験施設動画)
URLリンク(www.youtube.com)
大陸の砂漠に立地しない平安京では台風の際にのみ発生する風速と
いってもよい。また、言及するまでもないが降雨を伴うので乾燥した
シルトが浮遊することは考えられない。また風速25m人類の屋外
活動はほとんど不可能と言ってもよい状況である。
以上のことから「平清盛」の「コンスターチによる砂塵」は
「リアリティ」の追求ではなく、「デフォルメされた演出」である
と結論づける。
また、盆地特有の霧ではないかという説もあるが、盆地の霧の発生
は湿度が高くある程度の放射冷却があることが前提のため
夏から秋にかけての朝8時~10時までしか発生しないので
「平清盛」でのすべての季節・すべての時間に発生している
「コンスターチによる砂塵」は霧では説明できないと考える。