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◇映画『新・平家物語』(1955年大映) 映画冒頭の時代背景解説ナレーション
今からほぼ八百年前 平安朝末期のわが国は 一部の貴族や寺社が 租税免除の特権を持つ私有地
即ち荘園を ほしいままに拡張した為 国全体の経済は 危機に直面していた。
都は放火や盗賊が続出し 地方も夜盗や飢饉に悩み 反乱が相次いで起こった。
政権を独占する藤原氏は 久しい泰平に慣れ切って 之に対処する実力と方策を持たなかった。
ここに於いて 白河上皇”退位した天皇”は 政治の実権を手中に収め 自ら危機の打開に当たった。
国政は天皇の”朝廷”と 上皇の”院”とに分裂し ”朝廷”と”院政”の対立が 新しい危機をはらんだ。
貴族たちはこの闘争の為に 従来番犬視して来た 武士階級の武力を 利用せざるを得なくなった。
寺院は又”僧兵”を養い 天皇や貴族が信仰する神輿の尊厳を振りかざし ”院” ”朝廷”に反抗した。
このような動乱の前兆と 不安の空気の中に迎えた 保延三年”一一三七年” 時の都 京都を舞台に
この物語は始まる──
◇2012年大河ドラマ『平清盛』 第1話の時代背景解説ナレーション
平清盛 その男がこの世に生を受けた頃 武士はこう呼ばれていた 朝廷の番犬 王家の犬。
三百年の平安を誇った貴族の世も その末期には都の治安が乱れ 武士は王家に命じられるまま
盗賊などの追討や捕縛を行っていた。
のちに清盛の父となる平忠盛もまた そんな時代の武士だった。
血と汚辱にまみれた務めを一手に引き受け その見返りに恩賞を受け取る それがこの頃の武士のあり方だった。
この頃貴族の頂点に君臨していたのが 藤原摂関家の長である 関白 藤原忠実であった。
白河院は 皇位を退いてからも院政と称して自ら政務を執り続け まさにこの国の頂点に君臨していたお方である。