平清盛「王家」総合4@大河ドラマ板at NHKDRAMA
平清盛「王家」総合4@大河ドラマ板 - 暇つぶし2ch431:日曜8時の名無しさん
12/02/03 13:39:16.69 A6smUOcz
○本郷先生によると保元元年の新制(新しい憲法)は冒頭で「九州の地
(日本全国)は一人(天皇)のもつところなり。王命(天皇の命令)のほか、
なんぞ私威(しい)を施さん」と力強く宣言しているではないか?

→原文を提示します。
一、可令下知諸国司、且従停止、且録状、言上神社仏寺院宮諸家新立庄園事、
仰、九州之地者一人之有也、王命之外、何施私威、

また全文テキストは下記です。
URLリンク(www.furugosho.com)

この用例の一文の後には、数十の神社や寺に対して固有の名前を挙げて
厳しく対応することを宣言しています。つまりこの保元元年の新制は、
租税権を中心にした神社仏寺院宮諸家への権力の明確化の宣言なのです。

つまり、神社仏寺院宮諸家に対しての荘園経営という権力構造上の
特殊な文脈での「王命」という成句での用例と考えるべきと思います。
「天皇」を直接「王」と呼んでいるわけではありません。
また、主に神社仏寺院が列挙されているので「王法正理論」から来ている
「王」の用法と考えるのが妥当でしょう。

○「王法(天皇の法)と仏法は車の両輪」は普通の言い回しだ。

→その通りでしょう。王法という言葉がまず仏教の経典としてありますから
仏教との関係では普通の言い回しです
しかし、仏教用語が唐でも日本でもそれがそのまま援用されているので、
この「王」をもって「天皇」を一般に指す
というのは明らかに行き過ぎてしょう。

「王法」は「王法正理論」という経典から出ています。
この経典は5世紀半ばのインドの論師・弥勒が著述したものを、
7世紀半ば中国の学僧・玄奘が翻訳したものです。
この論は、王の十種の過失などで王法(為政者の法)と仏法の関係を説いています。

黒田先生のいうところの「王法仏法相依の関係」や
本郷先生の「王法(天皇の法)と仏法は車の両輪」は「王法正理論」と同じ
特殊な文脈の用法でしょう。

それは、あくまでもパワーゲームとしての協調と対立の文脈で
語られているはずです。NHKの「王」が仏法との対立関係であれば
正しい文脈での使用と思われます。





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