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毎日新聞 松井豊(京都支局)
毎日新聞 2013年11月08日 00時46分
京都市の京都朝鮮第一初級学校の校門前で「在日特権を許さない市民の会
(在特会)」が実施した街頭宣伝について、京都地裁は先月7日、人種差別
扇動を目的とした「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」にあたると初めて実質認定
した。人種差別撤廃条約に基づき明快に「差別」と言い切った画期的な司法
判断で、在特会側は控訴したが、東京・新大久保や大阪・鶴橋で繰り返される
過激なヘイトスピーチ・デモへの抑止効果も期待される。ただ、立ち止まって
考えてみたい。「差別」は果たして在特会だけの問題なのか、と。
◇民族教育権の侵害には触れず
朝鮮学校に通う児童やその保護者は愛着を込めて自分たちの学校を
「ウリハッキョ」と呼ぶ。朝鮮語で「私たちの学校」という意味だ。
1910年、日本は朝鮮半島を植民地化した。40年には民族名を日本風の
名前に変えさせる政策を打ち出した。戦中は多くの朝鮮人が日本で働くことを
余儀なくされ、敗戦後も約60万人が生活基盤を築いた日本にとどまった。
そうした人々が民族の言語や文化を取り戻す場として、各地に朝鮮学校が
つくられた。
在特会がヘイトスピーチをした京都朝鮮第一初級学校もその流れをくみ、
親子2代で通う例も多い。5年の長女が学校に通っていた保護者の女性
(45)は裁判で「在日1世、2世の思いが脈々と3、4世につながる心の
よりどころ」と学校の意義を語った。
「深呼吸をしてから校門を出る」。取材で児童らの言葉に接し、「外界」が
不安に満ちた世界であることに気付かされた。核開発疑惑以降、制服のチマ・
チョゴリを切り裂かれるなどの被害が増え、学校は「シェルター」でもあった。
その学校に、「何が子どもじゃ、スパイの子ども」などという野卑な言葉を
投げ付けた街宣の衝撃は大きかった。
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