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(>>5からの続き)6/7
だから、ブラック企業をなくすためには、ちょっと政策をいじくればよいという話ではない。
規制緩和をすればぜんぶうまくいく、などという単純な話でもないし、
逆に、なんでもいいから規制を強めればよい、という話でもない。
もちろん、「あそこはブラック企業だ!」と個別の企業をやり玉にあげるだけでも、問題はまったく解決しない。
「労働」を変えるためには、今までの日本社会が「労働」を通じてどう形成されてきたか、
まずはそのことを知らなければいけないだろう。
「政治が悪い」「政策が悪い」「企業が悪い」と悪役を探すだけではなく、私たちはどう
「労働」と向き合ってきたのか、そして、これからどう向き合っていくことができるのか。
そういったことを、本書では、私たち「個人」の目線から考えていきたいと思う。
ひとつだけ先に言っておきたいのは、「労働」のあり方は、変えることができるということだ。
無理がある日本の労働も、私たちのこれからの行為や選択によって、塗り替えていくことができる。
「耐えるか、辞めるか」ではなく「変える」という新しい方向へ、舵を切っていきたい。
その可能性をも、本書では提示していきたいと思う。
(次へ続く)6/7