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(>>2からの続き)3/7
■■■ 「ブラック企業」を見分けても意味がない
若者からの労働相談は、本当にひどいものばかりだ。
たとえば、入ったばかりの会社で、いきなり「使えない」と言われて、イジメがはじまる。そして鬱病になり、
「自分から辞めるしかない」状態に追い込まれる。
あるいは、入社した会社で長時間のサービス残業を求められる。休日に出勤を命じられることもある。
それでも「自分は甘い」と思って頑張ってきたけれど、もう身体も心も限界だ、といった相談。
こうした状況に追い込まれても、私たちは「自分が悪い」「どうしようもない」としか考えられない。
どんなにそれが違法な状態でも、相談に来る若者が「会社が悪い」と考えていることは、めったにない。
だが、みんな「おかしい」と思っているはずだ。
いくらなんでも、日本の「労働」には無理がある、と。
最近では、ようやく「ブラック企業」という言葉が世の中に広がってきた。若者のひどすぎる職場環境が、
やっと社会問題になってきたのだ。
希望の一筋の光が、見えてきたようにも思える。
しかし、マスコミの論調は、「ブラック企業を見分けろ」というものばかりだ。
私自身も、昨年『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』(文春新書/2012年)という本を世に出してから、
そうした「見分け方」の取材をひっきりなしに受けている。
(次へ続く)3/7