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◆迫りくる日中冷戦の時代/中西輝政 (京都大学名誉教授)◆
われわれは今後、中国とどう対してゆけばよいのか。
依然として多くの日本人が立ちすくんでいるのが現状だ。
そこでは特に、「経済」をめぐって日本人をいまだに支配している
「将来の中国像」が大きな役割を果たしているように見える。
作家の深田祐介氏によれば、丹羽宇一郎大使は、
大使に就任する前、深田氏に対し次のように語ったという。
「将来は大中華圏の時代が到来します」「日本は中国の属国として生きていけばいいのです」
「それ(中国の属国になること)が日本が幸福かつ安全に生きる道です」(『 WiLL 』2012年7月号)
にわかには信じ難い発言だが、その当人がいま、駐中国大使の任にあることは皮肉を通り越して、
心底、気の毒でさえある。しかし、ここで丹羽氏が口にしている言葉は、多少ニュアンスが違っても
実は多くの日本人がたとえ口にせずとも、心のどこかに抱いている「見通し」あるいは「恐怖」
であるかもしれない。この「日本の宿命」を受け入れるほかない、と積極的に感じている人
(日本のエリート層にはけっこう多い)は、いきおい「東アジア共同体」という想念に引きつけられている。
しかし、はたしてそうなのか。そもそも「大中華圏」なるものが現出するだろうか。
そんなことは、この地上ではありえない、たとえ22世紀になっても。
ここで重要なことは、丹羽氏に代表されるような中国への見方が、
実は目下の「日中緊張の時代」を招いているということである。
日中関係が今日の状況に行き着いたのは、この 40年間、あるいはさらに遡って 60年間、
終始一貫して日本人の中国観にこそ大きな原因があったのである。共産主義の「一党独裁」
というイデオロギーの持つ深刻な意味を、日本人は、中国に関してだけは終始一貫、軽視してきた。
また、「戦わずして勝つ」という孫子の謀略の哲学、毛沢東・周恩来の対日戦略からも終始一貫、
なぜか目をそらして、情緒的な“日中友好”の交流を手放しで推進してきた。
ここまで日本人の眼を狂わせたもの、それは歴史の「贖罪意識」以外にはない。
長いので以下ソースで
URLリンク(zasshi.news.yahoo.co.jp)