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中国、尖閣問題で要求 「上陸・調査・開発しない」
東京新聞2012年9月1日 朝刊【北京＝渡部圭】
沖縄県・尖閣諸島（中国名・釣魚島）をめぐって、中国政府が日本政府に対し、
事態沈静化に向け島に上陸させないなどの要求を示し、受け入れを求めている
ことが分かった。
最高指導部が交代する共産党大会を控えた中国は、対日関係と国内の安定を
望んでおり、こうした要求がある程度、日本側に受け入れられれば、野田政権の
国有化方針は黙認する可能性がある。
日中関係筋によると、中国側は尖閣諸島について、
（１）上陸しない（２）（資源などの）調査をしない（３）（構造物を造る
などの）開発をしない－の要求を決め、日本側に提示した。
これに対し、日本政府は「領土問題は存在しない」との立場を堅持。
三つの要求に基づいた交渉は拒否するとみられる。しかし、島を環境保全地区
として上陸を認めず、開発も許可しないとの案も出ているという。
中国側は反中派とみなす石原慎太郎東京都知事が主導して尖閣諸島を購入した場合、
島に新たな構造物を造る可能性があると警戒。中国国民の反発もいっそう
高まり、日中関係が最悪な状態に陥ることを懸念している。
反日デモや大使公用車が襲われる事件が起きるなど不穏な動きが出る中、
中国の官製メディアはかつて周恩来氏や〓小平氏が唱えた「棚上げ論」を取り
上げている。日本政府は「棚上げ論」を認めていないが、中国側には要求を
日本に提示することで交渉の場に着かせようという思惑もある。
一方で、日本政府が示す「平穏かつ安定的な維持管理」の考えは重視している。
三つの要求には、購入の有無が入っていないことを日本側へのメッセージとして
伝えようとしているとみられる。
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