12/08/16 21:59:53.76 ba/xOfno
入社2～3ヵ月後のある朝、車で山道を通勤中、赤い改造スポーツカーに追い越しされた。
俺は結構急いでいたつもりだったが、スポーツカーには遅く感じたらしい。
俺の車は一応リッター車だが、見た目は軽に近いドノーマルのワゴン車だった。
こんなスペックでスポーツカーに勝てるわけがない。
入社1年後、会社への最短ルートを見つけた俺は、朝はチキンレースとばかりに、
当初よりもかなり飛ばすようになっていた。
遠くに赤いスポーツカーを見かけたこともあったが、やはり追いつくわけがない。
入社2年後、俺は峠をきわめていた。
この頃になると、もはやインが高くアウトが低い超曲がりづらい急なコーナーも、
当初の倍のスピードで難なく飛ばせるようになっていた。
25分かかっていた車の通勤時間が、僅か14分にまで短縮出来たこともある。
スリップ音も無しに走行しているのに、新品のタイヤが半年経たずにワイヤーが
飛び出る状態になる程相当な運転ぶりで、もはや同クラスの車種ではこの峠で
俺にかなうものはいないと豪語出来るレベルにまでなった(当然ドノーマルのまま
なので、ドリフト等無謀なことはしなかったが)。
そしてある日、また赤い奴を眼前に捉えた。
直線ではやはり突き放される。
明らかに奴もかなり飛ばしている状況だったわけで、改造スポーツカーVS軽っぽい
ドノーマルワゴンでは当然の結果だ。
勝負はコーナーに持ち込まれた。