12/07/24 07:39:36.61 Gz+k3/JH
ずーっとむかしの若い頃、脚本家を目指してシナリオライター養成所ってのに行ってたことがある。
20人足らずの同期生はみんなしょぼい奴らばっかりだったが、その中でひときわ目立つ派手なセレブ風の女の子がいた。
19歳ということだったが、ぱっと見銀座のクラブのママですかって感じ。そのうち話の端から相当のお金持ちの子女らしいということがわかった。
どうもおじいさんが戦中戦後のどさくさで危ない橋をわたって(たぶん薬)一代で巨万の富を築いたらしい。
で、その講座は一年で終わり、誰と連絡を取り合うでもなくみなばらばらになったんだが、
一年後ぐらいに写真週刊誌を見ていたら、その子がミスインターナショナルだったかミス日本だったかで2位になって出ていた。
ゴージャスではあったけど、それほど取り立ててきれいだとは思ってなかったので、へえ、と思った。
その後、十年ぐらいしてテレビを見ていたら、「日本人女性監督で初めてアカデミー賞を受賞」のニュースでその子が白人の夫とともに出ていた。
なんか夫とともに撮った老人の性を描いたドキュメンタリー映画で受賞したらしい。その母親がインタビューに出てきたが、もうセレブを絵に描いたような奥様だった。
そういう階級の人と接したのは後にも先にもこれっきりだった。俺はといえば、田舎に帰って肉体労働しながら男っぽい妻と3人のクソガキとばあちゃんとでガチャガチャ暮らしている。
俺も俺の子供たちも、今後大したことにはならんだろう。それでも今となっては、彼女は彼女で幸せであってほしい。