11/12/12 00:31:30.09
>>867
仕事人間だったおっさん
子どももおらず、奥さんは寂しさ極まりあるとき爆発
いざこざの末、おっさんは早期退職し、妻長年の夢である喫茶店を夫婦で始めることに
ふたりとも根っからの素人というわけではなく、
昔からコーヒーはおっさんの趣味、洋菓子は妻の趣味で店はそこそこ繁盛
おっさんは寡黙なので接客はもっぱら妻の担当
店の経営に携わる妻は楽しそうだが超多忙だった
あるとき妻が脳卒中で倒れ急逝
その際、妻が隠れてたびたび医者にかかり、過労だから休めといわれていたことが判明
自責するおっさん
もっと手伝ってやればとか、早く気付いてやればとか
そもそも夢なんて突っぱねて喫茶店なんか始めなければ、泣きながらももっと長生きしたんではとか
すべて投げ出したい絶望にかられたが、自分の糧でもあり妻との思い出でもある店
もともと仕事人間なのでさっぱり投げ捨てて世捨て人になることはできず、意地を見せ、半月で職場復帰
常連客に支えられながら、なんだかんだで迎えた七回忌
おっさんは平静を取り戻したかに見え、マスターとして接客もこなす
ちょっと影のある味なオヤジになっていた
店は一人で切り盛りしており、妻がいた頃とはまた違う隠れ家的雰囲気をもち
狭い店内に穏やかな豆の香り、ジャズ的な曲が静かに流れる通好みの落ち着く渋カフェ
そんなところに(おっさん好きの)主人公がやってくる